市長補佐官に「人民日報」冠した組織の有識者 仙台市(市長が共産系)

仙台市の郡和子市長が市長補佐官に起用したIT事業会社のトップ、藤原洋氏の経歴が市議会に波紋を広げている。藤原氏が中国共産党機関紙「人民日報」の名を冠した月刊誌「人民日報海外版日本月刊」の理事長を務めているためだ。月刊誌側は人民日報社とは別の組織である「日本新華僑通信社」が出版することから、中国共産党の指揮下にはないとしている。ただ、自民党市議らは市政が中国寄りに誘導されかねないと警戒している。

「デジタル機器やソフトを選定する際は、誘導がないように市が主体的に決めてもらいたい」

「議会から重大な懸念が投げられた人のアドバイスで、市の方向が左右される疑念がある。幅広く意見を聞く視点が必要だ」

21日の市議会では少なくとも計6人の自民党市議が担当局長らに藤原氏の登用の経緯などを尋ねた。中国側に市の情報が漏洩する危険性を懸念する声も上がった。

藤原氏は今月1日、市の最高デジタル責任者(CDO)の郡氏に、デジタル技術で暮らしや産業を変革させるDX(デジタルトランスフォーメーション)について助言するCDO補佐官に就任した。

藤原氏はデジタル分野に造詣が深く、データセンターを運営する「ブロードバンドタワー」(東京)の会長兼社長CEO(最高経営責任者)のほか、総務省などの外部委員も数多く歴任する。2月には岸田文雄首相が提唱する「デジタル田園都市国家構想」の実現を目指す官民連携組織の代表理事にも就任した。

公職も歴任した人物が警戒される理由は、藤原氏が月刊誌「人民日報海外版日本月刊」の理事長という顔を持っているためだ。同誌は平成23年から日本人向けの経済誌として出版され、藤原氏は26年5月以降、理事長として編集部にインタビュー対象者などを紹介しているという。

人民日報は中国共産党の主張を代弁する傘下組織だ。米国は2020年6月に共産党のプロパガンダ(政治宣伝)機関と認定し、米国内の人民日報の従業員には個人情報の届け出を義務付けている。

中国リスクを念頭に経済安全保障の強化が課題となる中、仙台市も海外企業の誘致を担い、東北大と最先端技術の活用で連携しているため仙台市議らの懸念につながった。

ただ、同誌は「日本新華僑通信社」が出版し、人民日報社とは組織が異なる。人民日報のロゴを使用している理由は、同誌側によれば中国の代表的メディアのブランド力を利用する狙いがあるという。

仙台市の斎藤範夫市議は21日の総務財政委員会で、「新華僑通信社は人民日報と(記事使用など)業務提携しており、元は人民日報だと理解するのが普通ではないか。中国共産党と密接な関係を持つ人が市のDX推進のアドバイザーになれば不安を抱く」と指摘した。

藤原氏は産経新聞の取材に、「自分は自由、民主、人権を重んじる側だ。経済人なので中国の政治に加担することはない。中国企業の日本法人とは交流はあるが、現地の企業とは関係はなく、一線を画している」と強調した。

郡氏も19日の定例会見で、藤原氏が人民日報海外版日本月刊で理事長を務めることについて「聞き及んでいる。問題ないと認識している」と語っているが、誰が信じると思っているのでしょうか?。まったく、ベラルーシのミンスク市との姉妹都市とか、どこを切っても共産党&中国大好きな市長。早く、退場願ったほうがいいと思います。

市長、姉妹都市解消には触れず

 市議会2月定例会予算等審査特別委員会で「姉妹都市の交流は両市民の理解と相互信頼の上に成り立つ。現在の状況はそれを揺るがしかねない事態。当面、交流を見合わせるとミンスク市に知らせる」と述べた。

 市議会は3日、ロシアの軍事侵攻に抗議する決議案を全会一致で可決。質問した岡部恒司氏(自由民主党)は「交流の在り方を再検討すべきだとの声が多く上がっている」と指摘した。

 国内で唯一となるベラルーシの都市との姉妹都市は1973年に始まった。5年ごとに交流事業を行い、毎年5月の仙台国際ハーフマラソン大会には選手を招待してきた。チェルノブイリ原発事故や東日本大震災の発生時は、互いに支援の手を差し伸べた。

 ロシアの侵攻後、姉妹都市の解消を求める声が市に寄せられる一方、宮城・ベラルーシ友好協会の天江新六郎会長は「国同士の争いごとと、市民レベルの交流は分けて考えるべきだ」と関係継続を訴えている。