仙台の中古マンション、初の坪100万円超え 平均価格は2300万円

2021年に仙台市で供給された中古マンションの平均坪単価が過去最高の106万8000円となり、初めて100万円を超えたことが不動産調査会社、東京カンテイ(東京)の調べで分かった。1戸当たりの平均価格も2300万円と前年を168万円上回り、過去最高を更新した。利便性と資産価値の高い仙台都心部への人口集中が顕著で、新築マンション価格同様に高水準が続いている。

最高は青葉区

 平均坪単価などの推移は表の通り。平均坪単価は10年(58万1000円)比で83・8%上昇。行政区別では青葉区が110万円と最も高く、次いで若林区108万6000円、宮城野区102万8000円、太白区99万3000円、泉区90万7000円だった。

 平均価格は10年(1247万円)から84・4%上がった。08年のリーマン・ショックの影響で09年と10年は下落したが、東日本大震災で住宅不足が深刻化した11年を境に上昇に転じた。16年に初めて2000万円を超え、以降も上昇傾向が続いている。

 同社は「市全体で上昇が顕著で、特に青葉、宮城野、若林の3区の上がり幅は全国的に見ても大きい。東北全域から人が集まり、市街地再開発が重なったこともあって需要に供給が追いついていないことが鮮明になっている」と分析した。

新築も高止まり

 同社は06年に東北での調査を開始。今回は、価格動向に関する独自のデータベースを基に集計した。専有面積30平方メートル未満の物件は対象から除いた。

 仙台市では新築マンション価格も高い水準が続く。不動産経済研究所によると、21年の1戸当たり平均発売価格は、前年比8%下落の4535万円だった。