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米粉、メジャー食材目指す 業界PRに躍起

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輸入小麦の価格が高騰する中、米粉の利用を広げようという機運が高まっている。米粉業界はこれまでも、世界的に拡大する需要を取り込もうと品質を担保する制度整備を進めてきたが、肝心の消費者への浸透はいまひとつ。東北で米粉を扱う製造業者や販売店は、いまこそ米粉のヘルシーさや食感を知ってもらい、「メジャー食材」となることを期待する。(報道部・小木曽崇)

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輸入小麦高騰追い風 ヘルシーさ、食感を強調

 大潟村あきたこまち生産者協会(秋田県)の涌井徹会長は4月下旬、「現状では小麦粉の代替としての受注はないが、今後米粉めんや1次加工した米粉そのもののニーズが増えるだろう」と話した。

 同社は10年以上前から米粉商品の製造を手掛け、現在は小麦アレルギーの人も食べられる「グルテンフリー」のパスタなどを製造。涌井会長は米粉需要に追い風を感じつつ、「不足する小麦の代わりに米粉を使ってもらうだけでは弱い。これをきっかけに米粉のヘルシーさを認知してもらう必要がある」と強調する。

 仙台市若林区の洋菓子店「ぷちまるき ろくえもん」は20年以上前から、保育園の依頼でアレルギーを持つ園児でも食べられる米粉のケーキを製造している。店主の佐口梅幸さんは「ケーキの材料は小麦粉という認識は根強い。世の中にはいろいろな材料があり、それによって食感も味も異なるのを楽しんでほしい」と活用を呼びかける。

 農林水産省によると、米粉用米の需要量と生産量はグラフの通り。

 世界的なグルテンフリー市場拡大の流れに乗ろうと、米粉製造業者などでつくる日本米粉協会(東京)は2018年、アミロース含有率などの基準を設けて「菓子・料理用」「パン用」「麺用」といった表記を導入。グルテンの混入を防ぐ製造工程管理制度も採用し、食材として安心して選んでもらえる環境を整えた。

 2021年度の小麦粉価格は1キロ当たり110円程度に対し、米粉は120~390円程度と、コストでは小麦粉に分がある。ただ米粉にはアレルギー対応に加え、もちもちした食感や油の吸収率が低いといった特長もあり、その消費者への浸透が鍵となる。

 政府は物価高騰対応の緊急対策に、輸入小麦から米粉や国産小麦に原料を切り替えるなどした食品製造事業者を支援する事業費も盛り込んだ。

 東北大大学院の冬木勝仁教授(農業市場学)は「従来の価格差でも『国産原料』を前面に出せば十分勝負できる。政府事業も確実に追い風になる」と強調。米飯用のコメや小麦の代替ではなく、米粉を主役として産地でブランド化していく重要性を指摘した。

[輸入小麦の価格]輸入小麦は政府が国家貿易によって購入し、製粉会社やしょうゆメーカーなど需要家に売り渡す。輸入価格に管理経費などを上乗せした「政府売り渡し価格」は、4月と10月の年2回改定される。昨年夏の北米産の不作に続き、ロシアのウクライナ侵攻の影響で、今年4月期は21年10月期に比べ17・3%上昇し、1トン当たり7万2530円となった。