1日で亡くなる日本人「3,944人」…最新・日本人の死因調査

2021年の日本人の死亡数は140万人ほど。その理由で最も多いのは「悪性新生物<腫瘍>」でした。1年で40万人弱が亡くなる、いまや国民病ともいえる病気ですが、都道府県別にみると大きな地域差がありました。みていきましょう。 【画像】都道府県別「死亡率」「がん死亡率」ランキング《2021年》

2021年の日本人の死亡数「143万9,856人」…死亡理由第1位は「悪性新生物<腫瘍>」

厚生労働省『令和3年人口動態』によると、2021年の死亡者数は143万9,856人。前年より6万7,101人の増加となりました。1,000人当たりの死亡者数である死亡率は11.7。1日当たり3,944人、1分当たり2.7人の人が亡くなっている計算となり、高齢化が進むなか、死亡者数・死亡率は上昇傾向にあります。 死因をみてみると、最多は「悪性新生物<腫瘍>」で38万1,505人で10万人当たりの死亡率は310.7。以下「心疾患」21万4,710人、「老衰」15万2,027人、「脳血管疾患」10万4,595人、「肺炎」7万3,194人と続きます。 【日本人の死因<2021年>上位10】 1位「悪性新生物<腫瘍>」310.7 2位「心疾患」174.9 3位「老衰」123.8 4位「脳血管疾患」85.2 5位「肺炎」59.6 6位「誤嚥性肺炎」40.3 7位「不慮の事故」31.2 8位「腎不全」23.4 9位「アルツハイマー病」18.7 10位「血管性等の認知症」18.2 出所:厚生労働省『令和3年人口動態』 ※数値は死亡率(人口10万人当たりの死亡数) 日本人の死因1位は、1981年以降「悪性新生物<腫瘍>」で、2021年、日本人の死因の26.5%を占めています。「心疾患(高血圧性を除く)」は、1985年に「脳血管疾患」に代わり、日本人の死因第2位となり、2021年、日本人の死因の14.9%を占めています。「老衰」は戦後、低下傾向にありましたが、2001年以降は上昇。2018年には「脳血管疾患」に代わり、日本人の死因の第3位となり、2021年、日本人の死因の10.6%となっています。三大疾病である「脳血管疾患」は、1970年以降、低下傾向にあり、2021年、日本人の死因の7.3%となっています。また「新型コロナウイルス感染症」による死亡は、1万6,756人で、日本人の死因の1.16%でした。 さらに性・年齢別にみていくと、男性は「5~9歳」「45~94歳」は「悪性新生物<腫瘍>」、10~44歳では「自殺」、95歳以上では「老衰」が最多。女性は「5~9歳」「35~89歳」で「悪性新生物<腫瘍>」、「10~34歳」で「自殺」、90歳以上では「老衰」が最多。「悪性新生物<腫瘍>」による死亡のピークは男性で「65~69歳」、女性で「55~59歳」となっています。

悪性新生物<腫瘍>による死亡…都道府県別にみていくと

都道府県別にみていきましょう。2021年、死亡率(1,000人当たりの死亡数)が最も高かったのは「秋田県」で17.0。「青森県」「高知県」「山形県」「島根県」と続きます。一方で死亡率が最も低いのは「沖縄県」で9.4。高齢化率が高い地域は死亡率が高い傾向にあり、同じ日本とはいえ、最多と最少で7ポイント近い地域差があります。 【都道府県別「死亡率」上位10<2021年>】 1位「秋田県」17.0 2位「青森県」15.4 3位「高知県」15.3 4位「山形県」15.0 5位「島根県」15.0 6位「岩手県」14.8 7位「山口県」14.8 8位「徳島県」14.8 9位「新潟県」14.3 10位「和歌山県」14.3 出所:厚生労働省『令和3年人口動態』 またすべての都道府県で死因第1位は「悪性新生物<腫瘍>」ですが、地域別にその割合をみていくと、全国平均では全死亡数に対して26.5%ですが、最多の「北海道」では死亡数に対して29.2%、最少の「徳島県」「愛媛県」で23.8%。最多と最少で5ポイント強の地域差が生じています。「北海道」は全国的にみても喫煙率が高いなど、ライフスタイルの違いによるものだと考えられるでしょう。 【都道府県別「死亡数に対し悪性新生物<腫瘍>が占める割合」上位10】 1位「北海道」29.2% 2位「福岡県」28.1% 3位「神奈川県」27.6% 4位「埼玉県」27.4% 4位「大阪府」27.4% 6位「青森県」27.3% 6位「千葉県」27.3% 6位「京都府」27.3% 9位「愛知県」27.2% 9位「兵庫県」27.2% 出所:厚生労働省『令和3年人口動態』 最新の人口動態から、最新の日本人の死因についてみてきましたが、年齢を重ねるごとに病気に対するリスクは高まり、ときに思わぬ出費で経済的に困窮、というケースも珍しくありません。 公益財団法人生命保険文化センター『令和元年生活保障に関する調査』によると、過去5年間の入院経験は、30歳代で10.0%、「40歳代」で11.8%、「50歳代」で14.7%、「60歳代」19.8%。高額療養費制度を利用した人と利用しなかった人(適用外含む)の直近の入院時の自己負担費用の平均は20万8,000円となっています。また21.6%が「直近の入院において逸失収入があった」と回答しています。 突然の事態にどう対応するか、日ごろからの備えが重要です。