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津波被災地で牧草栽培 全農みやぎなど山元で実証 復興と自給率向上貢献

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JA全農みやぎなどは本年度、東日本大震災の津波で被災した宮城県山元町で、飼料用の牧草栽培の実証試験を始めた。震災後、未利用の農地計12ヘクタールで作付けを実施した。新型コロナウイルス禍による海上輸送の混乱や円安などで輸入飼料は高騰しており、自給率向上も見据える。

 牧草は通常、山間部や転作地で作付けされ、津波被災地での取り組みは異例。実証には農業生産法人やまもとファームみらい野(山元町)と全農北日本くみあい飼料(仙台市)も携わり、町や県などが協力する。

 市場ニーズが高い寒冷地種「チモシー」、「オーチャードグラス」の種を26日、12ヘクタールでまいた。現時点で2023年度までの計画で、収穫は越冬後の23年5月中旬と7月中旬、8月下旬の3回の見通し。目標収穫量は10アール当たり5トンで、乳牛や肉用牛向けの飼料としての利用を想定する。

 12ヘクタールは海岸から数百メートル~1キロほどの距離に点在。震災前は主に宅地だったが、人が住めなくなり圃場整備された。町を通じて地権者から無償で借り受けた。

 牧草の県内栽培面積は全国7位の1万2000ヘクタール(20年)で、近年はほぼ同じ水準で推移する。一方、国内の乾牧草の輸入価格(1トン当たり)は今年1月以降、前年同月比で約2~4割上昇した。全農みやぎの大友良彦本部長は「被災地で荒れた場所をなくして復興に貢献し、畜産農家との連携も強化したい」と話す。

 みらい野は15年7月の設立。被災した宅地跡など計約120ヘクタールの土地を開墾し、サツマイモやタマネギなど土地に合う品種、育て方を手探りで見つけてきた。島田孝雄社長は「町内には砂地で地力がなく、耕作者がいない農地もある。全ての農地が作付けされれば一番いい」と話す。

 沿岸被災地では未利用農地が一定程度あり、実証試験にめどが付けば横展開も可能になる。県畜産試験場の担当者は「畜産農家は飼料価格の高騰に苦しみ、規模拡大で飼料生産に手が回らない状態にも直面している。実証試験がモデルとなり、他地域にも広がってほしい」と話す。