いじめ、山形が2年連続全国最多 不登校は宮城が2番目の多さ 21年度文科省調査

文部科学省が27日公表した2021年度の児童生徒問題行動・不登校調査結果で、東北は山形県が1000人当たりのいじめ認知件数で2年連続の全国ワースト1位、青森県が1000人当たりの暴力行為の発生件数で同3位となった。宮城県は1000人当たりの不登校児童生徒数が全国で2番目に多かった。

 6県と仙台市の調査結果は表の通り。6県計は小中高校、特別支援学校のいじめ認知件数が5万2914件(前年度比5・3%増)、小中学校の不登校者数が1万4622人(27・6%増)、小中高校の暴力行為の発生件数が5518件(8・2%増)。

 1000人当たりのいじめ認知件数は青森、福島を除く4県で全国平均(47・7件)を上回った。各県教委は「早期発見による積極的な認知の結果」と説明。全国最多の126・4件だった山形県教委は「新型コロナウイルス禍で丁寧な心のケアに取り組み、いじめを訴えやすくなったのでは」とみる。

 福島の認知件数は前年度比5・9%減の7173件で2年連続の減少。いじめの解消率も86・5%と全国平均(80・1%)より高く、県教委は「現場が迅速に対応できている」と強調する。

 1000人当たりの不登校者数は、宮城が7・7人増の30・3人。6県で唯一、全国平均(25・7人)を上回った。県教委は「教育機会確保法の趣旨が浸透し、一定期間の休養が必要との認識や無理に学校に行かせずに見守る姿勢が広がっている」と分析する。

 青森は東北で2番目に多い22・6人。県教委は「コロナ禍による休校で生活リズムが崩れやすく、休校明けも登校意欲が湧きにくかった」と指摘した。

 1000人当たりの暴力行為の発生件数は、青森と宮城を除く4県で全国平均(6・0件)を下回った。5・7件だが過去最多の岩手県教委の担当者は「国の分析通り、コロナ禍の影響だと思う」と話す。3・1件と2年連続で減少した秋田県教委は「いじめの積極的認知、早期対応が暴力行為の未然防止にもつながった」との見方を示した。

 仙台市の1000人当たりのいじめ認知件数は152・3件。20政令市の平均は56・1件で、ワースト2位だった。1000人当たりの暴力行為は16・3件(同8・8件)で4番目、1000人当たりの不登校者数は28・7人(同26・7人)で6番目に多かった。