「いじめ過去最多」文科省が対策会議設置 ネット上の防止策検討

全国の学校でいじめの把握件数が過去最多となったことを受け、永岡桂子文部科学相は28日の閣議後記者会見で、いじめ対策を検討する関係府省会議を設置すると明らかにした。有識者らでつくる文科省の「いじめ防止対策協議会」には審議を要請する。いずれも年内にも初会合が開かれる。

 関係府省会議は、来年度に発足する「こども家庭庁」の準備室と合同で設置し、局長級のメンバーで構成する。いじめ被害に遭った子どもと保護者への支援、加害者に対する指導のあり方などについて協議する。

 増加が続くインターネット上のいじめの防止のほか、子どもの心身に重大な被害を与えたと疑われるいじめ防止対策推進法上の「重大事態」の調査に携わる専門家の確保策も検討する。

 文科省の2021年度調査では、小中高と特別支援学校でのいじめが61万件超に上った。パソコンや携帯電話によるいわゆる「ネットいじめ」は2万1900件で過去最多を更新。「重大事態」も705件で前年度比大幅増だった。【李英浩】