大ホールを敷地東側に 宮城県民会館など集約の複合施設、ゾーニング案固まる

仙台市青葉区の東京エレクトロンホール宮城(県民会館)とみやぎNPOプラザ(宮城野区)を仙台医療センター跡地(同)に移転集約する宮城県の複合施設のゾーニング案が19日判明した。西側の地下を通るJR仙石線の走行音や振動などを考慮し、敷地の東側に配置。核となる大ホールなどの位置も盛り込んだ。県は5月までに基本設計を、2024年6月までに実施設計をそれぞれ完成させ、28年度中のオープンを目指す。

仙石線側に芝生広場

 複合施設は延べ床面積約2万2000平方メートル。県が隣接する県有地との等価交換で取得したセンター跡地(約5万4000平方メートル)に新築する。

 ゾーニング案は図の通り。複合施設と仙石線との間にはエントランス前広場と芝生広場を整え、都市計画道路元寺小路福室線に面する北側には駐車場を設ける。

 複合施設内は機能連携による相乗効果で、利用者の交流を促進するよう工夫を凝らす。北側に大ホールとNPOプラザを並べ、広場と接する西側にはオープンゾーンやギャラリーなどを構える。東側には、資機材の搬出入などを行うバックヤードを確保した。

 県は複合施設の新築設計業務について公募型プロポーザルを実施。22年5月に石本建築事務所東京オフィス(東京)と契約を結び、基本設計の検討を進めてきた。

 県が21年3月にまとめた複合施設に関する基本構想などによると、大ホールは最大2300席の劇場型で、国内外の音楽やミュージカルに対応。NPOプラザは交流サロンや活動拠点となる部屋を置く。

 概算事業費は約250億円。試算に当たっては、秋田県と秋田市が共同で整備した文化施設「あきた芸術劇場ミルハス」(秋田市)など東北で近年新築された公共ホールを参考にした。