“上半身ニップレス”状態で中央線に現れた宇宙人インフルエンサーが物議!専門家「条例違反の可能性も」

《宇宙人達はじめての電車》

【写真】電車内でもコンビニでも…露出度が高すぎる“宇宙人”たち

 このコメントに添えられたとある動画がSNSで物議を醸している。動画は若い女性たちが電車に乗っているだけなのだが、驚くのは彼女たちの装い。奇抜なメイクやファッションで、さながら“宇宙人”のよう。そのうちのひとりは“上半身ニップレス状態”で、乳房を丸出しにしていた。

 この動画に対しSNS上では《まぁ普通に考えて迷惑やしね。自分達が良ければそれで良いの典型》や《こういう人種を取り締まる法律が存在しないのは、明らかな日本の問題点だ》などと、批判の声が寄せられた。一方で、《この動画炎上しそうだけど、みんなこれくらい自由にファッション楽しんでいいと思う》という擁護の声も。

 彼女たちが乗車していたのは東京駅を発着しているJR中央線。上半身ニップレスのみという露出について、JRに問い合わせてみると……。

「今回お問合せ頂くまで、この件に関して把握はしておりませんでした」

 と、回答。このような迷惑行為については、

「社内で迅速に共有し、今後の対応を検討しています。これからもお客様に安心してご利用頂くため、社内マナーの向上を強化していく予定です」

 などと今後の対応についての見解を明らかにした。

“宇宙人”が投げかけた公共の場でのモラル

 このような公共交通機関での胸部の露出は問題ないのだろうか。弁護士法人ユア・エースの正木絢生代表弁護士に聞いたところ、迷惑防止条例の違反や公然わいせつ罪に触れる可能性があるとの指摘が。 

「東京都迷惑防止条例第5条1項3号では、“人に対し、公共の場所又は公共の乗物において、卑わいな言動をすること”を迷惑行為として禁止しています。今回のJR中央線車内での露出行為は、これに該当するおそれが。迷惑防止条例違反として有罪となったときは、“6ヶ月以下の懲役”または“50万円以下の罰金”に処せられます」(正木弁護士・以下同)

 公然わいせつ罪の場合はどうか。

「公然わいせつ罪では、“不特定または多数の人が認識することのできる状態で、わいせつな行為をした者”が処罰を受けることになります。“公然”とは,不特定又は多数の人が認識することができる状態をいいます。路上や公園、公共交通機関などに限られず、インターネット上に配信することも“公然”に当たります。“わいせつ”とは“いたずらに性欲を興奮又は刺激せしめ、かつ、普通人の正常な性的羞恥心を害し、善良な性的道義観念に反するもの”のこと。代表的な具体例は性器を露出することなどです。今回のケースもこれにあたる可能性はあり、有罪となった場合、“法定刑は6月以下の懲役もしくは30万円以下の罰金又は拘留もしくは科料”となります」

 しかし、“わいせつ”と判断されるラインについては注意点があるという。

「“わいせつ”に当たるか否かの判断は,時代や文化・社会の意識によって変化しうるものですので、流動的な判断になるといえます。また、法律上は、行為者について男性・女性の区別は存在しないことも注意したいです」

“宇宙人”が投げかけた公共の場でのモラル。JRがどのような対応をするのか、注視したい。

正木絢生代表弁護士
弁護士法人ユア・エース代表。慶應義塾大学法科大学院卒業。第二東京弁護士会所属。bayfm『ゆっきーのCan Can do it!』にレギュラー出演するほか、ニュース・情報番組『news イット!』(フジテレビ系)などメディア出演も多数。相談しやすい身近な弁護士