元仮設住民「黄色いハンカチ」発売・山元

東日本大震災で被災し、宮城県山元町の仮設住宅で暮らした元住民の女性ら8人が今月、「幸せの黄色いハンカチ」の販売を始めた。かつて生活を共にした集会所に集まり、会話を楽しみながら手作りする。転居でバラバラになったコミュニティーの再生と被災からの自立を目指す。
 ハンカチは30センチ四方の2枚組で400円。1枚は購入者の手に、もう1枚は被災者を励ますメッセージなどを書き入れて町内のボランティアガイド組織「やまもと語りべの会」に届けてもらう。集めたハンカチは同会が町内各所に掲げる。
 8人は語りべの会から製作を受託。浅生原東田北仮設住宅集会所に週1回集まって作業する。ハンカチにミシンやアイロンをかけながら和気あいあいと会話を弾ませる。約2時間の作業の後はお茶会を楽しむ。
 7人は仮設を出て町内外に転居しており、リーダーの菅野寛美さん(70)は宮城県亘理町から足を運ぶ。「みんなと楽しく作業でき、最高のストレス解消になる。収入は一緒に温泉に行くなど平等に楽しく使いたい」と笑顔で語る。岩沼市から通う最年長の島田チエ子さん(88)も「転居先の隣近所は知らない人ばかり。みんなに会えて楽しい」と喜ぶ。
 当面は4500組を作る予定。菅野さんは「仮設で知り合った縁を大事にしたい。元気なうちは続けるつもり」と意気込む。語りべの会の渡辺修次会長(62)は「少しずつ自立を目指す被災者を多くの方に応援してほしい」と呼び掛ける。
 ハンカチはJR旧山下駅前の小売店「橋元商店」で取り扱っている。連絡先は0223(37)0036。

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Posted by takahashi