「日本攻略」へ、ヤフーが新たな検索連動型広告

ヤフーは17日、日本でも新しい検索連動型広告サービスを提供すると発表した。この背景には、グーグルにシェアを逆転された米国での“二の舞”を避け、ヤフーグループで米に次ぐ世界第2位の有望市場である日本のネット広告市場の囲い込みを強化する狙いがある。
 新サービスは、米ヤフー子会社の広告仲介企業、オーバーチュアの日本法人(東京都港区)が取り扱う。従来のヤフー上での検索連動型広告と比べ、新たに地方、都道府県別など地域を絞り込んだ広告配信が可能になった。また、広告主はこれまで1契約で1つの広告パターンしか配信できなかったが、複数の広告パターンを配信できるため、利用者はそのなかから最もアクセスが多いものを選ぶことができる。
 これにより一定の地域だけで広告展開を図りたい地方企業や、予算上制限のある企業にとっても使い勝手が大幅に向上する。さらに、パソコン以外に携帯電話や、将来的に普及が見込まれるテレビ上でのネット配信への対応能力も高めたという。
 検索連動型広告は、オーバーチュアが1998年に米国でサービスを始めた。しかし、その後、グーグルもサービスを開始し、米国内での検索エンジン利用シェアでグーグルがヤフーを上回り、広告の取扱高でもグーグルがヤフーを逆転している。
 一方、日本では、ヤフーは現在も検索エンジン最大手で、検索連動型広告の取扱高でもグーグルを上回っているとされる。ただグーグルも、2002年夏にヤフーに数カ月先んじて検索連動型広告の展開を始めるなど、日本市場を積極的に狙っている。
 電通によれば、日本国内の検索連動型広告市場は05年に590億円だったが、昨年は約930億円まで急拡大した。利用者の好みに合わせた広告配信が可能な検索連動型広告は、パソコンだけでなく、表示文字数が限られる携帯電話端末上では特に優位とされ、同市場を巡る各社の争いは、今後一気に激化することは必至とみられる。
(黒川信雄)

ニュース

Posted by takahashi