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東北・基準地価 北3県深刻、南と格差拡大

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【解説】国土交通省が21日発表した基準地価によると、下落率が南東北(宮城、山形、福島)で縮小した一方、北東北(青森、岩手、秋田)では拡大した。マイナス幅の小ささでは、南東北と北東北が住宅地、商業地とも、上位と下位に3県ずつ分かれ、東北の地価動向の二極化が浮き彫りになった。
 「南東北には企業誘致や観光振興など明るい材料もあるが、北東北にはほとんどない。消費分野の販売不振、住宅の買い控えなどマインドが冷え切っている」。東北地区を担当した国交省の鑑定官は、背景を説明する。
 特に青森県は、12月に東北新幹線が全線開業するにもかかわらず、住宅地、商業地とも東北で最も下落率が拡大した。来年3月に全線開通する九州新幹線鹿児島ルートの沿線で住宅地、商業地の地価が上昇、横ばいに好転した熊本、鹿児島県とは対照的で、深刻さが際立っている。
 今回、全国平均で下落率が縮小した要因は三大都市圏の改善だ。2008年秋のリーマン・ショックからの回復途上とも言えるが「空き室率の上昇や賃料下落は続いており、依然として調整過程にある」(国交省地価調査課)。
 投資マネー流入などで上昇した地価が09年に大幅下落し、今年は下げ幅が縮小した仙台市も、今後の先行きは不透明だ。
 仙台の11年の新規オフィス供給面積は10年より8割近く減る見通しだが、需給バランスの崩れた状況は変わらない。市内の不動産関係者は「『ミニバブル』のつめ跡が消え、正常に戻るにはまだ時間がかかるだろう」と分析する。
 不動産市場を左右する国内の景気は円高、株安で後退局面が続く。産業基盤に加えて少子高齢化、人口減少などが複雑に絡み、都市と地方が抱える不況の実像は異なる。経済の冷え込みにも、地域間の温度差が色濃くにじみ始めている。
 悪循環からの脱出には税制の見直し、土地利用の緩和、都市再開発への支援など政策の総動員が不可欠だが、輪切りではない、地域特性を踏まえたきめ細かな対応なしには、構造的な「格差」は埋められない。
(東京支社・元柏和幸)
<青森/新駅の周辺も落ち込む>
 住宅地は平均下落率が過去最大の5.4%となり、12年連続で下落した。郊外型複合商業施設のある青森市浜田地区や12月に開業する東北新幹線新青森駅周辺など昨年の上昇、横ばい地点も軒並みマイナスに転じた。
 商業地は平均下落率7.0%で、19年連続のダウン。青森市新町1丁目は21年連続の1位だが、下落率は昨年の5.8%からさらに拡大した。
<岩手/平均下落率は過去最大>
 住宅地は10年連続の下落で、平均下落率は過去最大の4.2%だった。2年連続で上昇地点がなかった。下落率が最も大きかったのは八幡平市松尾寄木で10.7%のマイナスとなった。
 商業地も17年連続の下落で、平均下落率は6.8%で過去最大。空き店舗の増加や郊外商業施設への顧客流出が進み、中心商店街で軒並みダウンした。
<宮城/商業地平均5.9%下落>
 商業地の最高価格は、仙台市青葉区中央2丁目(仙台東宝ビル)で28年連続。平均下落率は5.9%で、昨年の8.1%から縮小した。仙台市もマイナス幅は小さくなったが、平均下落率は6.1%だった。住宅地の最高価格は26年連続で仙台市青葉区上杉4丁目。
 全用途の平均下落率は4.2%。昨年より0.7ポイント縮小したが、19年連続の落ち込みとなった。
<秋田/大型スーパー撤退響く>
 郊外大型店への顧客流出が続き、商業地の平均変動率はマイナス7.1%と、18年連続で下落した。JR秋田駅周辺では大型スーパーなどの撤退が相次ぎ、秋田市千秋久保田町の下落率は15%を超えた。住宅需要も冷え込み、住宅地も12年連続でダウンした。
 昨年は初めて企業誘致が実現せず、全用途の平均下落率は、過去最大の5.5%だった。
<山形/全地点で下降2年連続>
 266の調査基準地のうち、選定替え2地点を除く全地点で下落した。全地点の下落は2年連続。全用途平均の下落率は4.2%で、昨年から0.8ポイント縮小したが、12年連続のダウンとなった。
 商業地の下落は17年連続で平均4.9%、住宅地の下落は11年連続で平均4.0%。人口減少や高齢化の進行で、土地需要が弱含みで推移しているのを反映した。
<福島/住宅地15年連続ダウン>
 住宅地は昨年より3.1%下がり、15年連続の下落。郡山市は中心部で値ごろ感も出て下落幅が小さい。福島、いわき両市は低価格住宅が供給過剰気味で、下落幅が拡大した。
 商業地は郊外型施設への顧客流出などで4.6%ダウンした。下落は18年連続。大型商業施設の撤退で昨年、大きく下げた会津若松市は、下落幅が縮小した。