第3章 その後

聞くところによると、僕は首になったそうです。
 聞くところによると、八木君はクビになったそうである。僕は7日付で退職したはずなのに、巷では13日付で懲戒免職になったそうなのだ。
 僕は退職した翌週から友達の盛岡の別荘を借りて2週間ほど頭の切り替えのためにのんびりしていた。僕がいない間にわけの分からない理由をつけてそういうことになっていたみたいです。そして、各製作会社だけにその通知を送付していたそうだ。
 僕は盛岡から帰って来て、その旨を友達の製作会社の社長から聞かされた。
  「やられた。」
 これが僕の感想だ。労働基準監督署に助けを求めようかとも思ったが、相手は宗教ですっかり常識の通じない方々である。僕は終わったことに固執するよりも、これからのことが重要と思い、諦めた。
 聞くところによると、それからしばらくの聞、佐々木広告社では、会議で社長に対して反対意見を言うと「八木のようになりたくなかったらおとなしくしてろ!」と社長自らおっしゃるそうです。