ホンダ、仙台空港で「HondaJet」を一般向けに日本初公開&デモフライト

本田技研工業は4月25日、同社の子会社であるホンダ エアクラフト カンパニーが開発した小型ビジネスジェット機「HondaJet」の一般向けお披露目イベント「HondaJet World Tour in Japan 2015」の第1弾として、仙台空港でのイベントを実施した。会場となったのは、航空機の機体整備などを行なうジャムコの第1格納庫。

仙台空港でのイベントは第1部(午前)、第2部(午後)に分けて計540名が募集され、その当選者がイベントに参加。特に午前中の部 は、仙台空港へ飛来する姿を見られるのがポイントだ。参加者の多くが第1格納庫の仙台空港側エプロンに設けられたスペースに集まったほか、仙台空港展望 デッキにも多くの人の影。さらには、ジャムコ第1格納庫近くに、抽選に漏れた人向けの“第2会場”も設けられ、そちらにも人が集まっていたそうだ。

このように多くの人が待ちわびたHondaJetの到着予定時刻は10時10分頃とされていたが、10時20分頃に到着が遅れるとのアナウンス。 そして、10時30分過ぎに、空港の北側にその姿を現わした。その小さな姿を探す人、いち早く見つけて声を上げる人で、飛行機が下降するほどに会場の熱気 は上昇。10時36分ごろ、B滑走路の山側から海側の方向となる09滑走路へ着陸した。

その後、HondaJetは地上走行を行ない、マーシャラーに誘導されながらジャムコ第1格納庫裏の駐機場へ。イベント参加者から拍手で迎えられた。

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東北・仙台をイベントスタートの地に選んだ理由

HondaJetが到着したイベント会場では、HondaJetから降り立ったホンダ エアクラフト カンパニー社長の藤野道格氏によるプレゼンテーションや、屋外展示された機体、カウルが取り外された状態で展示されたエンジンの見学を行なえる時間となった。

藤野社長はプレゼンテーションの冒頭、「着陸してくる時に、皆さんがたくさん来てくれていて、とてもうれしく思っています」と挨拶。 併せて報道関係者向けに行なわれた囲み取材では、「実はここに来るまでに、1人でも多くの人に見ていただければと思って、三陸の方を飛んできた。自分も東 北出身で、いろいろありながらも(HondaJetの開発という)目標を持って、30年掛けてここまでやってきた。東北の方もいろいろなご苦労があると思 うが、目標を持つことで10年後、20年後に達成できるということを伝えたかった」と、東日本大震災で甚大な被害を受けた仙台空港を最初のイベント会場に 選んだ理由を説明した。

なお、プレゼンテーションは4月23日に報道関係者に向けて行なわれた内容と同じもの。詳しくは下記記事を参照してほしい。

到着後1時間ほど経過し、11時30分からはデモフライトの用意が始まった。地上電源車から電源が供給され、エンジンを始動。再び空へ飛び立った HondaJetは、急角度での離陸や、空中での機動性を見せつけたほか、滑走路上を低空飛行して通過するローパス飛行を披露。

再度の着陸後には、より近くでHondaJetを見ることができるよう、トーイングカーにより格納庫内へ運ばれ、屋内展示が行なわれ た。初めて見るHondaJetを前に熱心に撮影する人、パネルの説明を読みながらじっくり観察する人など、イベント参加者それぞれが思い思いに楽しんで いた。

HondaJet World Tour in Japan 2015は、24日の仙台空港、25日の神戸空港に引き続き、4月29日の熊本空港、5月2日~3日の岡山・岡南飛行場、5月4日の成田空港で行なわれ る。いずれの会場も参加申し込みは残念ながら終了している。しかし、仙台と神戸では抽選に漏れた人も楽しめるよう空港周辺に“第2会場”が設営されたほ か、仙台空港の展望デッキで飛来を待つ人の姿も見られたように、イベントに参加せずともHondaJetを観賞する方法はある。GWを利用して訪れてみる のもよいだろう。