仙台湾南の堤防再建開始 空港付近は12年度完成

東北地方整備局は29日、東日本大震災の津波で壊滅的な被害が出た仙台湾南部の海岸堤防の本格復旧工事に着手した。整備局によると、岩手、宮城、福島3県の海岸堤防は総延長約300キロのうち約190キロが被災し、本格復旧工事は3県で初めて。仙台空港のそばの海岸堤防など重要箇所は2012年度中の完成を目指し、沿岸部の復興を後押しする。
 工事は、高潮や数十年から百数十年に1回程度の発生が予想される津波を想定。仙台市宮城野区の七北田川河口から宮城県山元町までの約60キロは、堤防の高さを7.2メートルに統一し、うち国が約30キロを担当する。
 担当区間のうち、仙台空港や下水処理場がそばにある場所は12年度中の完成を予定する。全区間の復旧完了は15年度中を見込む。
 宮城県名取市下増田であった着工式には、地元首長ら約70人が出席。村井嘉浩知事が「復興に向けた大きな一歩になる。街づくりの弾みになることを期待する」とあいさつ。佐々木一十郎名取市長も「一日も早い復旧をお願いしたい」と要望した。
 仙台湾南部の海岸堤防は震災前、高さ5.2~7.2メートルだった。津波で大半が倒壊したが、現在は大型土のうなどで高さ2.0~6.2メートルの仮設堤防が設置されている。
 復旧工事の11年度分の事業費は253億円。津波が乗り越えても破壊されない堤防にするため、陸地側のり面のコンクリートの重さを約4倍にするなどして補強する。