「NGなし女性タレント」が急増する理由 求められる“YouTuber的”仕事と熾烈な競争

鈴木奈々さん、藤田ニコルさん、丸山桂里奈さん、須田亜香里さん(SKE48)、朝日奈央さん(元アイドリング!!!)…今バラエティーを席巻している女性タレント。彼女たちに共通しているのが、仕事の「NGがない」ことです。どんな過酷なオファーも果敢に引き受ける「NGなし女性タレント」急増のワケとは――。

「体当たりブーム」の先駆けは誰か

「NGなし」の先鞭(せんべん)をつけたのが、モデルの鈴木奈々さんでしょう。人気ファッション誌「Popteen」出身のモデルでありながら、泥のプールに突き飛ばされ、生クリームを顔に浴び、爆風を体に受け、ローションの階段を大股開きで滑り落ちるなど、芸人が行うようなあらゆるチャレンジに身を投じています。

もう一人、体を張るモデルとして有名なのが藤田ニコルさんです。「有吉弘行のダレトク!?」(関西テレビ・フジテレビ系)では虫を踊り食いしたり、ヘビやゾウに手や頬をなめられたりするなど、体当たりの挑戦をものともしません。

最近、勢いがあるのが、アイドルグループ・アイドリング!!!の元メンバー、朝日奈央さん。平愛梨さんや比嘉愛未さんらが所属するライジングブロダクションの中で唯一NGがないと公言します。そんな彼女の特技は、鼻と目にそれぞれ10円玉を詰めるという秘技だとか。

元なでしこジャパンの丸山桂里奈さんも、今まで清廉さが求められていたスポーツタレントの中では異質の存在です。サッカーW杯ロシア大会の1次リーグの勝敗予想で外れると、その罰ゲームとしてお尻を出すグラビア撮影に挑戦。また7月27日の「有吉ジャポン」(TBS系)では、スタジオで水着への生着替えにも挑んでいました。

アイドル像も変化してきました。須田亜香里さんは、7月21日の「ダマされた大賞」で、脱毛ワックスで鼻の穴の毛をごっそり抜かれ、抜けた後の毛までさらされていました。また、鼻に猛スピードで水を流し込む「高速鼻洗浄」にも果敢にトライ。30日の「人生が変わる1分間の深イイ話」(日本テレビ系)では、東京の自宅を寝室まで公開しました。

アナウンサーの仕事もタレント並みになってきました。フジテレビの山崎夕貴アナは、とんねるずに自宅を突撃された際、岡山の実家から持ってきた祖母の化粧台や、部屋干ししている洗濯物など生活感あふれる部屋を公開。また、テレビ金沢の馬場ももこアナの自宅も衝撃でした。玄関先に転がるコンタクトの洗浄液ケース、山積みの洗濯物、むだに開けられたティッシュケースなどが散乱する映像を見た視聴者も多いことでしょう。

テレビが「YouTuber」を欲している?

こうして、あらゆるモノをさらけ出し、どんなオファーも断らない「YouTuber」なタレントが増えるのは、コンプライアンスに縛られていたテレビに「揺り戻し」が来て、再び過激さを求め始めた兆候ではないでしょうか。

そして、もともとは女芸人が挑むような仕事を、本業ではない人間が参入する背景には、タレントが余り、生き残れない現状もあるはずです。ただ、過当競争となり、過激化の一途を辿れば、テレビ業界全体のイメージダウンも免れません。

素顔をさらすことへの「好感と反感」

また、そんなボーダレスなタレントの台頭は、これまでの「アイドルだから…」「アナウンサーだから…」という固定観念がもはや崩壊している証拠でもあるでしょう。

特に山崎アナのプライベート公開は、派手なイメージのある女子アナの生活とは真逆の地味さが好感を呼びました。そんな、ウソのない、「ありのまま」の姿を視聴者は見たいのかもしれません。

ただ、好感と反感は紙一重といいますが、山崎アナが、夫のお笑いタレント・おばたのお兄さんにお風呂場で全身を洗ってもらっていると同僚のアナウンサーから暴露された時、SNS上ではこうした私生活の公表に眉(まゆ)をひそめる視聴者も多くいました。

つまり、彼女たちはそんな“好感と反感”のギリギリを歩いていると言えるでしょう。その見極めが今まで以上に求められているのかもしれません。