日大:チアリーディング監督がパワハラ 保体審が対応せず

日本大応援リーダー部(競技チアリーディング)の女性監督が女子部員にパワハラをしたと、学内の人権救済機関に認定された。関係者への取材で判明した。部員は精神的に追い詰められて適応障害と診断された。運動部を統括し、アメリカンフットボール部の内田正人前監督が事務局長だった保健体育審議会(保体審)に解決を求めたが対応しなかったという。日大のパワハラ体質とガバナンス(組織統治)の欠如が再び露呈した。【川上珠実、銭場裕司】

監督は2011年ごろまで同部選手だったOGで15年度に就任した。女子部員らによると2月5日、全部員の前でこの部員を名指しし「大雪の日に事務員に頼んで練習をなくそうとした」と事実でないことで叱責した。

この前後にも、部員が強豪である出身高校のジャージーをはいていたことを見とがめ「学校の恥。今すぐ脱げ」と怒ったほか、けがからの復帰が遅れているのをうそだと疑い大会に出場させようとした。他の部員からも責められて自殺を考えるほど追い詰められ、大学に通えなくなった。

女子部員側は保体審に監督との仲裁を求めた。当初は応じる姿勢を示したものの「監督と直接話してください」などと態度を変えたため、3月に人権救済機関に相談した。関係者によると、具体的内容は公表していないが、調査をして監督の言動がパワハラに当たると認定したという。

5月に起きたアメフット部の問題で日大は対応が批判されたがその間もチアの問題は解決せず、監督は7月に女子部員に謝罪した。毎日新聞の取材に日大企画広報部は「事象の有無を含めてお答えできない」と回答。監督は指導を続けている。

アメフット部の問題では、日大が設置した第三者委員会が7月末、悪質タックルを指示した内田前監督=懲戒解雇処分=の指導を「独裁」「パワハラ」と批判。部活動を監督すべき保体審の事務局長を内田前監督が務めていたことが独裁を許し、ガバナンスが機能しなくなったと指摘した。

競技チアは組み体操のような「スタンツ」や宙返りなどの「タンブリング」といった技で演技を構成し、難易度や正確性などで競う団体の採点競技。日大は02年創部で、過去10年の日本選手権最高順位は4位(大学部門)。