「宮川選手は5年前、速見コーチと『勧誘』された」 代理人が証言、「塚原文書」の信憑性に疑問

 体操のリオ五輪女子代表・宮川紗江選手(18)が、日本体操協会の塚原千恵子・強化本部長(71)らが速見佑斗コーチ(34)の暴力を理由に朝日生命体操クラブへ自身の引き抜きを図ったと訴えている。

塚原夫妻はこれを否定しているが、宮川選手の代理人を務める山口政貴弁護士は「コーチと宮川選手、セットで来てくれという話だったようなんです」と告白。引き抜きの疑いは約5年前の一件にまでさかのぼると主張した。

  • 日本体操協会の公式サイト

速見コーチが断り続けて「確執が」

山口弁護士は2018年9月3日放送の情報番組「スッキリ」(日本テレビ系)に生出演。司会の加藤浩次さんから「引き抜きというのは一番最初から宮川選手だけみたいな形だったのか」と聞かれ、

「一番最初は、コーチと宮川選手、セットで来てくれという話だったようなんですよ」

と明かした。画面上のテロップにも、「約5年前に宮川選手と速見元コーチに対し『朝日生命体操クラブ』への勧誘あった」と表示された。

山口氏はさらに、

「コーチは、指導方針の違いとか、そういうところでお断りをしたんですね。何度か誘われていたようなんですけれども、すべてお断りしたと。塚原さんが強化本部長になってから、強化本部にも入らないかみたいな話もあったんですね」

と一連の経緯を説明。加藤さんが「速見コーチを自分のほうに引き入れたかった?」と質問すると、山口氏は

「最初は間違いなくそういう意図があったんでしょうね。ところが速見コーチが断り続けたというところから、確執が生まれていったんではないかと思うんです」

との見方を示した。

池谷さん、勧誘は「確実にあったと思います」

宮川選手が代表合宿中の7月20日、塚原強化本部長の付き人から「今後速見コーチとは練習できなくなる」と言われ、21日には「朝日生命の寮も1つ空いているから、そこを使ってもいいのよ」「朝日生命も近いし(塚原)本部長もいる」と専任コーチの電話番号を渡された――。

本人は8月29日の会見で、そう説明していた。塚原強化本部長から勧誘を受けたわけではないが、朝日生命に自身を入れようとしているように感じたとし、「最初から速見コーチの過去の暴力を理由に、速見コーチを排除して朝日生命に入れる目的なんだと確信に変わりました」と訴えた。

だが、塚原強化本部長は31日に発表した文書で「朝日生命体操クラブへの加入を勧められたとご主張されておりますが、この点についても真実と異なります」と否定。「私たちは、宮川選手に関して、一切、勧誘を行っておりません」と主張した。

こうして双方の意見は真っ向から対立しているが、先の山口氏と同様の見方を示した評論家も。バルセロナ五輪銀メダリストの池谷幸雄さんは9月2日放送の情報番組「真相報道 バンキシャ!」(日本テレビ系)に生出演し、「引き抜き」疑惑について

「あったと思います。引き抜かれた選手のこともよく知っています。移籍が多いクラブは非常に少ないので、勧誘はあったと思います」

と改めて持論を展開。その上で、

「(宮川選手が)中学ぐらいから、コーチと2人で朝日生命に来いと言われたと聞いている。確実にあったと思います。なかったって言うのは難しい」

と述べていた。