“被害者”が激白 塚原夫妻の無責任指導とでっち上げの実態

「34年も前のことですが鮮明に覚えています」

こう語るのは、関西にある私立中学体操部の元監督だ。

連日、マスコミを賑わせている日本体操協会の塚原光男副会長(70)と塚原千恵子女子強化本部長(71)の宮川紗江選手(19)へのパワハラ問題。元監督は塚原夫妻の一連の言動について、ずっと不信感を抱き続けているという。

「1984年の11月です。うちの体操部の中学2年の女子選手が全国大会の個人総合で3位に入った。翌朝、その子の母親が学校に来て、東京の学校へ行くので書類を書いて欲しいという。どこへ転校するのかと聞いても何も言わない。当時も朝日生命体操クラブの引き抜きの噂はあったのでピンときた。朝日生命は中学、高校のチャンピオンからトップ3ぐらいまでの選手を引っ張る。動くのは塚原夫妻ではない。この時は関西ジュニア体操クラブ協議会の幹部でした。私は塚原(光男)さんに電話をして、うちの生徒がそちらに行くなら正直に言ってくださいと言ったが『そんな話は知らない』という。それはおかしい、転校の書類が書けないと言い返すと、渋々認めましたよ」

■「先生、助けてください!」

生徒自らの意思で朝日生命体操クラブへ行ったのなら「それでいい」と元監督は言う。「問題はその後です」と、こう続ける。

「彼女が高1になった1月7日の夜9時でした。『先生助けてください。帰るところがないんです』と電話口で泣きじゃくっている。年末に大阪に帰省していたのですが、1月3日に東京へ戻ると、『あなたは合宿所に帰る日の届けが出ていない。そんな勝手なことをやるならクラブを辞めなさい』と言われ、合宿所から荷物を放り出されたというのです。彼女は届けを出していた。でも、届けを渡した先生に会おうとしても会わせてくれず、千恵子さんがこの先生に『外出届は受け取ったの?』と聞くと、『受け取ってません』と言ったそうです。有望な選手がクラブに入ったので合宿所の部屋が足りなくなったのか、私の元生徒が邪魔になったのです。それで外出届の不備をでっち上げて辞めさせたわけです」

この元監督が「許せない」という事件はまだある。

「私の中学は(系列の)高校もありましたから、校長にこれまでの経緯を話し、彼女の編入試験を認めてもらった。転校生には6カ月規定があるので8月まで大会には出さないつもりでしたが、高体連の会長に事情を話すと会議で議題にしていただき、満場一致で4月から出場してもいいことになった。選手登録すると、今度は彼女が東京で在籍していた私立高校の先生がそれを知り『関西の学校に選手を引き抜かれた』と騒ぎだした。同時に、1月から4月まで夜中に無言電話はくるわ、新聞記者が取材の電話をかけてくるわで、ひどい目に遭いました。塚原夫妻は人を使って選手を引き抜き、その選手をつくり話で放り出すと、引き取った相手を悪者に仕立て嫌がらせまでする。だからあの夫妻の話はまったく信用できません」

同じ思いをした選手や指導者は他にもいるのではないか。