バカ売れ「サバ缶」で男の健康がグングン蘇る(1)出荷量でツナを抜いた

安くて手軽な「サバ缶」は、いつの日も男たちの強い味方であった。ところがここにきて、テレビや女性誌でも取り上げられるほど、空前のブームが到来。とりわけ、シンプルな「水煮缶」はスーパーやコンビニで品薄が続くほどの大人気。そこには驚くほどの「健康の効果」が隠されていたのだ!

食品大手の「マルハニチロ」広報担当者がこう話す。

「正直に言って、需要に供給が追いついていない状態です。9月1日から33品目を約10%値上げさせていただいたのは、原料価格の高騰が原因です」

庶民の味方だった「サバ缶」だが、ここ1年ほどバカ売れが止まらず、4年ぶりに値上げすることになったのだ。

実は缶詰業界では長らく「ツナ缶」がトップを独走していたが、17年に「サバ缶」が逆転。08年には約2万5000トンの生産量だったのが、17年には約3万9000トンまで伸びている。

「特に『水煮缶』の売り上げが好調で、今年1月から6月の出荷は、前年同期に比べて135%の数字になっています」(マルハニチロ広報)

主流は100円台の手頃なものだが、倍以上する高級ブランドも好調な売れ行きだとか。

このブームがどうして始まったかを、生活史研究家の阿古真理氏が解説する。

「大手メーカーに問い合わせたら、昨年10月から半年間の売り上げが4割も増加したそうです。ここで一致するのが、昨年9月14日にオンエアされた『秘密のケンミンSHOW』(日本テレビ系)です。長野県のご当地料理として、味噌汁に地元の『根曲がり竹』と、サバの水煮缶を入れるんです。水煮缶からダシもとれるし、味噌との相性もいいですから、これは話題になって当然でしたね」

さらにNHKの「あさイチ」でも水煮缶が取り上げられ、たびたび品切れになる大ブームに発展した。

サバ缶といえば、かつては「味噌煮缶」が主流で、特に西日本では「水煮缶はほとんど食べない」と言われたほど。近年は西日本での需要も増え、市場全体を底上げしているという。

もう一つの鍵は、11年の東日本大震災だった。石巻専修大学・食環境学科の鈴木英勝准教授が明かす。

「もともと水煮缶はサバに水と塩を入れるだけで、水産高校の実習でも作れるくらい手間がかかりません。それゆえに鮮度が決め手となるのですが、震災で多くの環境が生まれ変わったことが大きいですね。青森あたりの漁船では、船の上でサバを凍結できるようになった。市場もかつては海鳥が入ってくるような状態でしたが、建て替えてからは鮮度がいいうちに缶詰加工ができるようになった」

千鳥のノブではないが、従来の水煮缶は「クセがすごいんじゃ」と言われることもしばしば。鮮度の向上により、味も格段にアップしたのだ。