「来訪神」ユネスコ遺産登録勧告 東北の関係者から喜びの声

国連教育科学文化機関(ユネスコ)の補助機関が「男鹿のナマハゲ」など東北の4件を含む「来訪神 仮面・仮装の神々」を無形文化遺産に登録するよう勧告した24日、遺産を構成する伝統行事を守り続けてきた東北の各地域は喜びに包まれた。国際的な評価を受け、関係者は伝承への思いを新たにした。
「なまはげを半世紀近く担ってきた者として、待ちに待った瞬間だ」。秋田県男鹿市船川港双六(すごろく)地区の住民5人でつくる「双六なまはげ保存会」の三浦幹夫会長(69)は感無量の様子だ。
少子高齢化による地域文化の担い手不足が深刻化する中での吉報に、三浦会長は「秋田県内での関心が高まり、継承の在り方を探る契機になってほしい」と期待を寄せた。
菅原広二男鹿市長も「大変喜ばしい。なまはげ行事の保存と伝承への励みになる」との談話を出した。
「米川の水かぶり」は宮城県登米市東和町で800年以上続く火伏せの行事。保存会の菅原淳一会長(62)は「まずは一安心」と胸をなで下ろし、「ユネスコ登録になれば国内外から観光客が訪れる。地元として期待は高い」と歓迎した。
山形県遊佐町吹浦地区の3集落では、子どもの怠け心を改めさせ、お年寄りの長寿を願う小正月行事「アマハゲ」が伝わる。吹浦まちづくり協議会の高橋敏夫会長(77)は「アマハゲは各集落の誇りだ。戸数が減っても集落がある限り、静かに続けていきたい」と力を込めた。
奇怪な面をかぶり、みの装束をまとった来訪神が子どもの成長や豊漁を祈る岩手県大船渡市三陸町の「吉浜のスネカ」。吉浜スネカ保存会の柏崎久喜会長(68)は「先祖代々の風習が認められた。登録されても今までと変わらず、吉浜の人々の気持ちが一つになれるように取り組むだけだ」と決意を語った。