「2018年ヒット商品」から今年の流行を振り返る

日経トレンディ「2018年ヒット商品」トップ10

『日経トレンディ』の「ヒット商品ベスト30」は、1987年の同誌創刊以来続いている人気企画。昨年10月から今年9月までに発表された商品・サービスを対象に、売れ行き、新規性、影響力の3要素から同誌が独自にランク付けしたものです(昨年すでにヒットしていた商品は原則対象外)。

その「2018年ヒット商品ベスト30」から、上位10つまでの商品を見ていきましょう。

1位 安室奈美恵

「引退」の経済効果は500億円超えとも

1位は「安室奈美恵」。ヒット“商品”なのに人物名というのは違和感がありますが、1位に人物が選ばれたのは31回の発表の中でわずか2回という異例の選出だとか。それだけ「平成の歌姫」の引退劇が国民的関心事になったと言えるでしょう。

同ランキングで人物名が1位を獲得するのは、1999年の宇多田ヒカル以来、19年ぶり。同誌は「平成の歌姫の引退劇が国民全員の関心事項に発展。『感謝』と『応援』の波は各業界に旋風を巻き起こし、経済効果は500億円超とも」と選出理由を説明している。

単なるアーティストの枠を超え社会現象に

2位 ドライブレコーダー

危険運転に対する自己防衛目的で需要増

電子情報技術産業協会の統計資料によると、2018年度上半期(4-9月)の出荷台数は165万台で、前年同期の85万台に比べほぼ倍増と、市場が急成長しています。この背景には、昨年6月に起きた東名高速でのあおり運転事故に代表される、あおり運転を含めた危険運転の社会問題化があります。たびたび報道されるあおり運転などのトラブルを耳にしたドライバーが、設置することによる危険運転・迷惑運転の抑止効果を期待したり、万が一事故が起きた場合の証拠保全を目的にしたりと、ドライブレコーダーの需要が高まっているわけです。
また、こういった運転トラブルに対する自己防衛のほか、ドライブ風景を撮影してSNSや動画投稿サイトにアップするといった用途を目的にした需要も高まっているようです。

3位 ペットボトルコーヒー

オフィスでの「ちびだら飲み」で大ヒット

去年発売されたサントリーの「クラフトボス」が爆発的にヒットし、ジョージア(コカ・コーラ)の「ジャパン クラフトマン」シリーズといった競合他社の後追い商品もヒット。最近ではコンビニやスーパーでペットボトル入りコーヒーが飲料品コーナーの一角を占拠している様子をよく見かけるようになりました。

2017年6月に発売されて3日で売り切れ出荷一時停止という伝説を作り上げたこの「クラフトボス」シリーズも、ラテが中心に爆発的にヒットした。大きめのリキャップ可能なペットボトルで濃すぎない味の仕立てがオフィスでの”ちびだら飲み”に適していると、一大文化に発展し、後続するメーカーも多かった。

「これで売れるのか」からの予想外のヒット

この「クラフトボス」、当事者のサントリー幹部が「最初に社内で試飲した時は正直、これで売れるのかと思った」と振り返る。理由は、従来の自社商品のコーヒーに比べて、明らかにライトな味わいに統一したためだ。コーヒー好きから、コクが物足りないと敬遠される可能性もあると感じたのだろう。
だが、フタを開けてみれば予想外のヒットとなった。オフィス需要、特にIT関連企業で一日中パソコンと向き合って仕事をする若年層に照準を定めたのだが、そうした層に「クラフトボス」は、ほぼ想定通りはまった格好だ。

4位 ZOZO

PB「ZOZO」を展開 「ZOZOSUIT」も話題に

「ZOZOTOWN(ゾゾタウン)」を運営するスタートトゥデイ(当時)は、今年1月からPB(プライベートブランド)「ZOZO」を展開。7月には商品ラインナップに男性向けオーダースーツを投入しました。

「ZOZO」の売りは、無料配布中の採寸用ボディスーツ「ZOZOSUIT(ゾゾスーツ)」で計測したデータに基づき、オーダーメードに近い形でぴったりサイズの商品を届けること。ゾゾスーツは当初、伸縮センサーを内蔵した仕様で発表したが、技術や費用の面で量産化が難しく、製造を断念した。その後、ある研究者チームから3億円で買い取ったアイデアを基に、スマートフォンで撮影して計測する新たなゾゾスーツを開発した。

話題を振りまき続ける「ZOZO」と前澤社長

10月1日、スタートトゥデイは「ZOZO」に社名変更し、“第2の創業期”をスタートさせています。また、ZOZOの前澤友作社長が女優・剛力彩芽との交際やそれに伴うSNSでの発言、民間人初の月周回計画などなど、次々と話題を振りまいたことでも注目されました。
最近では、ZOZOSUITを使わない新技術の開発を発表して話題になっています。

ZOZO(ゾゾ)は10月31日、採寸用スーツ「ZOZOSUIT」を使うことなく、最適なサイズの服を提案する新技術を開発したと発表した。前澤友作社長は「ZOZOSUITを使わず、ビジネススーツすらフルオーダーで作れるのではないか」と期待を込める。

新技術は、これまでZOZOSUITでの計測時にユーザーが入力してきた身長・体重・性別などの基礎情報と、計測データ、ZOZOの商品に対する購入者のフィードバックなどのデータを使って機械学習を実施。ユーザーが「身長、体重などの基礎情報を入力すれば、体型データを勝手に推測できる」ようにしたという。

5位 グーグルホーム&アマゾンエコー

「スマートスピーカー元年」から1年

スマートスピーカー「Google Home(グーグルホーム)」と「Amazon Echo(アマゾンエコー)」が日本に上陸し、「スマートスピーカー元年」とされたのは2017年。それから1年経ち、この“2大巨頭”の登場により日本でもスマートスピーカーの普及が進み、総合コンサルティング会社のアクセンチュアが4月に発表した「2018年デジタル消費者調査」によると、日本でのスマートスピーカーの所有率は16年の3%から17年は8%、18年は16%(見込み)と大きな伸びを見せています。
今後さらに普及が進み、「声で操作する」という新感覚のUIが日本にも定着するのか見ものです。

6位 漫画 君たちはどう生きるか

200万部突破の大ベストセラー

約80年前の1937年に出版された吉野源三郎氏の歴史的名著を漫画化した作品で、トーハンや日販、Amazon、オリコンなどの今年上半期のベストセラーランキングで1位を獲得。「2018年上半期 一番売れた本!」とされ、先日発表の「ユーキャン新語・流行語大賞」にもノミネートされた今年を代表する本です。

『漫画 君たちはどう生きるか』が各ランキングでベストセラーの上半期1位を獲得した背景には、テレビ、新聞、ラジオ、WEBでの紹介で、「生きる上で大切なことを、考えさせてくれる」本であると思って購入した読者がさらに、子ども、孫、友人、同僚…など周囲の人にも読んで欲しいと伝えてくれたことが大きかったようです。

子供向けの作品に大人も共感

主人公の中学生“コペル君”が、日々直面する様々な問題と取り組むなかで、友人との関係、ものの見方、真実、勇気について、“おじさん”からアドバイスを受けながら考え、学んでいく姿が書かれています。当初も少年少女に向けて書かれたものでしたが、世代を越えて大人たちからも多大な共感を得ています。

7位 aibo

12年ぶりに復活した犬型ロボット

1999年にデビューして以降、バージョンアップを重ねながらも2004年にソニーの経営会議で撤退命令が出され、世の中から消えていくことになった“AIBO”が、“aibo”として12年ぶりの復活を果たして話題に。今年1月に発売され、7月中旬には累計生産出荷台数が2万台を達成したと発表されました。

約12年ぶりに登場した、待望の最新モデル。シームレスデザインを採用したボディは、よりイヌらしくなっている。また、瞳、耳、尻尾など体全体を使って感情を表現。さらにオーナーからの呼びかけを待つだけでなく、自発的に動くなどペットそのもの。本体とクラウド、または双方のAI連携で、どんどん賢くなる!

8位 ケーブル バイト

可愛くて実用的な人気アイテム

「CABLE BITE(ケーブル バイト)」は、まるでキャラクターがスマホに噛みついているように見えるiPhone純正充電ケーブル用アクセサリー。可愛さに加えて、ケーブルの断線予防にもなる実用性も相まって、昨年登場してから瞬く間に人気アイテムとなり、累計販売個数は500万を突破しているとか。

充電ケーブルに装着し、それをスマホ本体に差し込むことで、
まるで動物たちがスマホに噛みついているかのように見えるiPhone純正ケーブル用アクセサリーです。
まるっとしたフォルムが愛らしく、ゆる~く癒される表情。
ガブッと噛みついている姿がなんとも可愛いとSNS上でも大絶賛!
好きな動物をつなげてつけるのがフォトジェニックでオシャ可愛い!と
ファンの間でトレンドとなっています。
更に可愛いだけでなく充電ケーブルを断線から守ってくれる優れものなのです。

多くの人気キャラとコラボ

ヒットした背景には『ドラゴンボール超』『ゲゲゲの鬼太郎』『ポケモン』『クレヨンしんちゃん』の登場キャラや、サンリオの「ハローキティ」「ポムポムプリン」「マイメロディ」など、誰もが知っている人気キャラとコラボした商品を次々とリリースした点も挙げられています。

9位 本麒麟

「第3のビール」でも高級感 発売から約3カ月で1億本突破

『本麒麟』で注目したいのは、ホップの苦味とふわりと広がる爽やかさ。舌に広がるその味は、ドイツ系ホップを一部使用して生まれた高級感を感じさせるもの。
炭酸は少し弱めに感じるが、それがかえって少し強めの6%のアルコール感とともに飲んべえな味わいを醸し出す。長期低温熟成で生まれたというコクは、飲み込んだ後もいつまでも余韻を残して、酔いの回りとともに良きリラックスタイムを演出する。

本麒麟は、高級感を訴求することで同じ新ジャンルカテゴリーの「のどごし<生>」との競合を避け、発売3カ月で300万ケースを出荷。一時は出荷調整をかけるまでになった。

年間1000万ケースに迫る勢い

3月13日に発売された本麒麟の当初の年間販売目標は510万ケースだったものの、上記のとおり発売3カ月で300万ケースを突破したことから、6月下旬には目標を790万ケースに上方修正。8月下旬時点では550万ケース(350ml缶換算で2億本)を突破するなど好調をキープし、年間では1000万ケースの大台も見えてきたとも。

10位 NONIO

若者をターゲットにして成功

口臭科学から生まれた口臭ケアブランド『NONIO(ノニオ)』は、2017年8月の発売以来、身だしなみとしての口臭ケアに関心の高い若年層を中心にご高評いただいています。

マウスウォッシュ全体では、20代~30代の購入者は約2割ですが、「NONIO」は20代~30代の購入者が約4割います。スタイリッシュなデザインと「口臭予防」をアピールしたことで、マウスウォッシュにあまり興味のなかった若い人たちが買い始めたと考えられます。

「身だしなみ」という文脈で若者にアプローチ

オーラルケアに無関心だという若年層に対し、「身だしなみとしての口臭ケア」という観点でアプローチして成功を収めたといいます。

若年層のムシ歯や歯周病への意識が希薄である一方で、20-30代男女の78%は他人の口臭を気にしており、72%は自分の口臭ケアができているか不安を感じています。また、79%は「自分の口臭は自分では気づきにくい」と感じており、身だしなみで「気をつけていること」と「悩んでいること」の1位に口臭があげられました(2016年当社調べ)。

さらに、発売の際には若者との接点を狙った情報発信を展開。モデルでタレントのローラを起用した刺激的なCMや、会話時に距離が近くて息を意識する映画館やスポーツ観戦の場で大量のサンプルを配布するなど、徹底的な戦略で若者にリーチしていったようです。

「2018年ヒット商品」11~30位で気になる商品

ここからは11位以下のヒット商品の中から、特に気になったものをピックアップして簡単に紹介していきます。

12位 L.O.L. サプライズ!

2017年にアメリカで最も売れた玩具

「L.O.L. サプライズ!」は2017年にアメリカで最も売れた玩具だそうで、7月7日より販売が開始された日本でもヒット商品となっています。

「L.O.L.サプライズ!」は、開封するまで中に何が入っているかが分からない「サプライズトイ」と呼ばれる玩具。全28種のコーディネートの中からランダムで1種が封入されており、開封を進めるごとにアイテムが次々と出現するパッケージと、中に封入されているポップでカラフルなドールとファッションアイテムが特徴だ。最後まで開封してはじめて、ドールのコーディネートが明らかになる心躍る仕掛けとなっている。

14位 コウペンちゃん

がんばるあなたを褒めてくれる“肯定”ペンギン

「コウペンちゃん」とは
イラストレーター“るるてあ”が描くコウテイペンギンの赤ちゃんで、日々のがんばりを褒めてくれるイラストが、SNSを中心に注目されると、グッズや書籍、コラボカフェやポップアップストアなどへ活躍の場を広げる、大人気キャラクターとなりました。

16位 チョコミント

「チョコミン党」が大躍進

今夏の猛暑の後押しもあってか、すっきり清涼感のあるチョコミント味の商品が急増しました。夏頃にはコンビニなどの一角でエメラルドグリーンに染まるエリアが目についたという人も多いのでは?

スターバックス、スーパーカップ、カントリーマアム、小枝、DARSなど、誰もがよく知るドリンクやお菓子が、こぞって期間限定のチョコミント味を出しています。
日テレ「NEWS24」7月4日の記事によると、チョコミントブームの背景には、多くの限定商品とSNSによる拡散があるのだそう。Twitterではハッシュタグ「#チョコミン党」も話題になりましたよね。

20位 肩掛けスピーカー

これまでになかった新ジャンルのスピーカー

ソニー、BOSE、JBLといったメーカーが次々と製品をリリースして話題となった新しいジャンルのスピーカー「肩掛けスピーカー」。周りを気にせず大音響を楽しめる、外の音を遮断しない、ヘッドフォンのような圧迫感がない、耳が痛くならない、ヘッドホンやイヤホンにはない迫力が体感できる、といったメリットが指摘されています。

23位 PUBG・荒野行動

バトルロワイヤル系ゲームの人気が爆発

『PUBG』『荒野行動』はどちらも「バトルロイヤル」と呼ばれるゲームのこと。若者を中心に大ヒットしています。

今、「バトルロワイヤル」というゲームジャンルの人気が急拡大しています。バトルロワイヤルは最後の1人になるまで戦うマルチプレイヤーシューティングで、多くの場合は最大100人のプレイヤーが対戦します。
戦闘が行われるゲームマップは広大なフィールドになっており、そこにある町や村を探索できますが、次第にプレイ可能なエリアが縮小されていきます。徐々に狭くなるマップ上では、他プレイヤーへの接触は避けられず、ゲームに勝つためには互いに戦わなくてはなりません。そして最後に残ったプレイヤー(またはチーム)が勝者になります。

24位 ポケトーク

翻訳機を超えた夢の「通訳機」

『ドラえもん』に出てくる“ひみつ道具”のひとつ「ほんやくコンニャク」のようだとして騒がれているAI通訳機。明石家さんま出演のCMも話題になっています。

「ポケトーク」は、世界74言語(注1)に対応した、手のひらサイズのAI通訳機です。話しかけるだけで通訳がいるかのように対話ができます。2.4インチの大きい画面に、タッチパネルを採用。世界105の国と地域で使える4G対応のグローバル通信機能を内蔵しているため(注2)面倒な設定は不要ですぐに使えます。言語数はインド英語やオーストラリア英語などのアクセントにも対応し74言語利用できます。

26位 サバ缶

健康志向でサバ缶人気沸騰 “王者”ツナ缶を抜く

長年に渡って缶詰市場をけん引してきた“王者”ツナ缶を抜くほどの成長を見せているサバ缶。人気の背景にはシニア層を中心とした消費者の健康志向があるとされています。というのも、サバ缶などの青魚缶に多く含まれるDHA・EPAは、血行の流れを良くして動脈硬化を防いだり、肌の新陳代謝を促進したりする効果があるといわれているからです。

サバの缶詰、通称「サバ缶」の人気がすごい。2年ほど前からサバの人気が高まり始め、同時に手軽で安くて美味しい、と人気が爆発! 相乗効果で魚介類缶詰市場も盛り上がっているようだ。

これまで、魚介類缶詰市場は長期にわたって「マグロ油漬け缶(いわゆるツナ缶)」がけん引し、不動のトップカテゴリーであった。しかし、テレビ情報番組で話題となった2017年秋から「サバ缶」が伸長すると、同年12月には、ついに「サバ缶」が「マグロ油漬け缶」を追い越した(インテージ全国小売店パネル調査〈SRI(*1)〉調べ)。