<客引き禁止条例案>実効性焦点に 仙台市議会、丁寧な周知求める声も

仙台市中心部の特定区域内で客引き行為を全面禁止する市の独自条例案を巡り、審議する市議会12月定例会で実効性の担保を求める声が相次ぐ。アルバイト学生が条例を知らずに雇い主の指示で客引きを行い取り締まりを受けることも考えられ、周知の徹底を求める意見もあった。論戦のポイントをまとめた。

<取り締まり態勢> 
 居酒屋やカラオケ店の客引きが国分町やJR仙台駅前周辺で横行する現状に、女性市議は「観光客や住民、買い物客には迷惑千万」と指摘した。斎藤恵子市民局長は、条例の実効性を高めるため、街頭で取り締まり経験のある警察官OBを中心に巡回部隊を編成する方針を表明。県警と人材確保や取り締まり手法の調整を進めている。
 条例のある大阪市や名古屋市は、警察官OBらが複数でパトロールし、禁止行為に口頭で是正を求めるなどの対応をしており、仙台市も同様の態勢を整える。

<学生への啓発> 
 アルバイト学生が客引きをして氏名を公表されることも考えられ、若手市議は「若者への丁寧な周知が必要ではないか」と質問した。
 市は条例が定める禁止行為や罰則を説明するチラシやポスターを作り、年明けから啓発活動を本格化させる。来年1月下旬には大学や専門学校向けの説明会を開催。学生指導担当に条例の内容を伝え、学生たちに注意を呼び掛けてもらう。

<禁止区域> 
 市が想定する区域は地図の通り。飲食店が多い国分町やアーケード商店街周辺などで客引きや勧誘を禁止する。県迷惑防止条例はキャバクラなどの客引きを禁じるが、「腕を引っ張る」「付きまとう」などしつこい行為がない場合は規制の対象外だった。
 ある商店街関係者は「客引きなしで商売は難しい」と打ち明ける。中堅市議は「区域外で客引きが多発すれば、いたちごっこになる」との懸念を示した。沼田和之市民生活課長は「区域外で悪質な客引きが増えれば範囲を広げる可能性はある」と話す。

[仙台市客引き禁止条例案]特定区域内で全ての業種の客引き、従業員をスカウトする勧誘、客待ち、勧誘待ちの行為を禁じる。禁止行為をした場合、是正を勧告、命令し、従わない時は氏名や店舗名を公表する。5万円以下の過料を科すこともできる。条例案が可決された場合、来年4月から客引き行為が禁止される。