<仙台金時>希望のサツマイモ初出荷 被災農地で栽培「本場徳島産に負けないブランドに」

徳島県産サツマイモの高級ブランド「鳴門金時」の苗を宮城県内で生産し、ブランド化を目指している「仙台金時」が26日朝、仙台市中央卸売市場(若林区)に初出荷された。相対取引で、サツマイモの市場平均よりやや高値となる5キロ当たり1300円の値が付いた。東日本大震災の津波で被災した沿岸農地などで6年前から栽培に励んできた農家は「本場徳島産に負けないブランドに育てたい」と手応えを感じている。
 市中央卸売市場の卸業「仙台中央青果卸売」によると、宮城県産金時の入荷は初めてで、県産サツマイモの入荷も2、3年ぶりだという。収穫量が多い都道府県はグラフの通り。宮城県をはじめ東北はサツマイモ栽培農家が少なく、産直販売される程度だ。
 出荷したのは徳島県小松島市出身で、農業兼飲食店勤務の浜松彰宏さん(55)=太白区=。津波で被災した宮城野区岡田で育てた計100キロが、仙台中央青果卸売の野菜部担当者との交渉で、市内の青果卸兼販売業者に買われた。
 浜松さんは、栽培7年目で形の良いMからLサイズ(1個200~400グラム)が多く取れたため念願の初出荷に踏み切った。10月に収穫し、倉庫で2カ月間保存して甘みを凝縮させた。
 サツマイモは塩害に強く、浜松さんは2012年5月、徳島県鳴門市の農家から鳴門金時の苗を取り寄せ、宮城県内の農家仲間と栽培を始めた。同年秋は計500キロを収穫し、土壌改良などを重ね、県内で7農家が生産するようになった今秋は計約15トンに増えたという。
 浜松さんは今後も、需要を見極めながら出荷を進めたい考え。「正月用食材としての活用に期待している」と話す。新たに栽培に取り組む県内農家も募っている。連絡先は浜松さん090(3750)5678。