ポスト復興庁、年度内に輪郭 議論本格化「トップは閣僚?」「重点施策は?」

東日本大震災からの復興政策を担う復興庁の後継組織について、2019年に議論が本格化する。同庁が廃止となるのは21年3月。同じ時期に国の復興・創生期間も終了する。同庁はその後の復興の方向性と「ポスト復興庁」の輪郭を本年度内にも示す方針。引き続き閣僚が組織を束ねるのかをはじめ、財源確保や政策の重点化に関する検討が加速しそうだ。(東京支社・山形聡子)

 「21年3月で終わる復興・創生期間後の復興の在り方を議論するスタート地点に立った」。昨年12月18日の閣議後記者会見で渡辺博道復興相は言葉に力を込めた。
 「創生期間後」の政策立案は取りも直さずポスト復興庁に直結する。渡辺氏は後継組織の検討が新たな段階に入ったことを示した。
 併せて同庁は、期間後も被災地で対応が必要となる政策課題を公表。地域を二分した取り組みを示した。
 福島など東京電力福島第1原発事故による被災地域については「引き続き国が前面に立って取り組む」と明記した上で、住民の帰還に向けた環境整備など現在と変わらぬ対策が必要と強調した。
 岩手、宮城を中心とした地震・津波被災地域に関してはハード面の復興事業の減少を織り込みつつ、被災者の心のケアやコミュニティー形成といったソフト対策について「一定期間の対応が必要」と指摘。福島との違いを明確にした。
 被災自治体は支援の継続を訴える。村井嘉浩宮城県知事は昨年12月12日、創生期間後も必要な施策を渡辺氏に求めた。期間後に特化した要望は初めてで、被災した子どもへの長期的なサポートなどを要請した。
 内堀雅雄福島県知事は昨年11月、後継組織のトップには引き続き閣僚が就くことが望ましいとの認識を示した。「安心して復興に専念できる態勢や財源、人員の確保が不可欠」と指摘する。
 自民、公明両党は後継組織に関し、復興に向けた第7次提言で防災の在り方を含め本格検討を促した。全国知事会は災害の事前対策から復旧・復興まで担う「防災省」の創設を求める。
 安倍晋三首相は現体制での対応が可能だとして、防災省創設に否定的だ。代わりに19年度政府予算案では交通基盤強化や河川改修など国土強靱(きょうじん)化に手厚く配分した。
 自民党内では被災地選出議員を中心に「福島の復興対応に当たる何らかの組織は必要。宮城、岩手の分をどうするかは議論になるだろう」との意見が大勢だ。
 復興庁は19年3月に改定する復興の基本方針で後継組織の概要を示す。渡辺氏は「被災自治体や関係省庁との協議を踏まえ、3月には必ず一定の方向性を出す」と話す。