道の駅「日本一」は下関 売り上げ9億 その理由は…?

食事、特産品、お土産から、温泉やアスレチックといったエンターテインメント施設まで。日々進化する「道の駅」は全国で1千以上。そのなかで、山口県の道の駅が「日本一」に選ばれた。評価の理由は……。

 「日本屈指の絶景道の駅」「海鮮丼は新鮮でボリューム満点」

 世界最大級の旅行口コミサイト「トリップアドバイザー」に寄せられたコメント。このサイトが独自に集計し、9月に発表した道の駅ランキングで、全国1位になった「北浦街道 豊北」(山口県下関市)についてのものだ。2012年の誕生後、年々来場者を伸ばし、昨年は約60万人。売り上げは9億円を超えた。

 行ってみると、口コミ通りの開放感。海に面した一角にはテラスがあり、潮風を浴びながら、日本海の海沿いの風景を一望できる。ここのレストランの一押しメニューが、日本海で捕れた海の幸を盛り込んだ海鮮丼。肉厚なネタが人気だという。店内は一面ガラス張りで、景色を楽しみながら食事ができる。

 藤野亘駅長(63)に人気の秘密を聞くと、トイレ掃除はこまめに、窓ガラスは汚れればすぐに拭くという。「一つ一つは小さなことだが、この積み重ねが居心地の良さにつながったのかな」

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 上位に入った道の駅について、「道の駅 旅案内全国地図」(ゼンリン)の編集長で、約950カ所を巡った守屋之克さん(47)に読み解いてもらうと、「観光地の近くで、セットで立ち寄れる道の駅が上位に入っている」と言う。

 確かに、トリップアドバイザーで2位の「ニセコビュープラザ」(北海道ニセコ町)の近くには、スキー場がいくつもある。3位の「サーモンパーク千歳」(北海道千歳市)も、近くに一年中ダイビングが楽しめる支笏湖(しこつこ)がある。

 「豊北」も、コバルトブルーの海にかかる「角島(つのしま)大橋」から南に約5キロ。角島と本土を結ぶ橋は、ドライブや撮影スポットとして人気だ。

 「豊北」は、海や角島大橋を見ながら「雰囲気よく食事や休憩ができる」。休憩施設としてだけでなく、単体でも楽しめる。そんな感想が高評価につながった、と守屋さんはみる。

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 九州各地にも、人気を集める道の駅は多い。「うきは」(福岡県うきは市)は新鮮な野菜や果物が充実し、観光客だけでなく、地元住民らも利用する。守屋さんは「フロアいっぱいに野菜が並べられ、ボリューム感がある」。

 「九州じゃらん」(リクルート)が発表した「九州・山口の道の駅ランキング」では、「うきは」が土産やレストランなど施設全体を評価した「総合部門」で1位。2位は、魚介類の品ぞろえが充実した「むなかた」(福岡県宗像市)、3位は特産のメロンを使った商品が並ぶ「七城メロンドーム」(熊本県菊池市)だった。

 異彩を放つのが「松山」(鹿児島県志布志市)。パティシエが作るスイーツが特長で、約30種と本格的だ。「和菓子を推す道の駅は多いが、洋菓子に特化した駅は珍しい」と守屋さん。

 キャンピングカーで全国約1100カ所の道の駅を訪れたライターの浅井佑一さん(47)が勧めるのが「奄美大島 住用(すみよう)」(鹿児島県奄美市)。近くのマングローブパークで実施しているカヌー体験が人気だ。「本州で見られないようなワイルドな感じだった」

 「鹿島」(佐賀県鹿島市)では、干潟で泥まみれになり、スキーやボード遊びを楽しめる。国内外から約千人以上が集まる「ガタリンピック」の会場だ。

 道の駅は25年前、一般道の休憩施設として誕生した。お気に入りを見つけにドライブしてみませんか。(藤野隆晃)