和牛の受精卵、あわや中国に 大阪の男性を告発 農水省

和牛の受精卵と精液が昨夏、中国へ持ち出されたとして、農林水産省は29日、家畜伝染病予防法違反の疑いで大阪府内の男性を大阪府警に刑事告発し、発表した。府警も告発を受理した。男性は発覚当時、「知人に依頼された」と説明していたという。

 農水省や関係者によると、男性は昨年7月、大阪府内の港で、農水省動物検疫所の輸出検査を受けないまま、和牛の受精卵と精液を持って中国行きの船で出国。だが中国検疫当局から「輸入不可」とされたため、そのまま帰国し、動物検疫所で受精卵について申告した。

 受精卵などは直径2ミリ、長さ約13センチのストロー数百本に入れられ、液体窒素のボンベ内に収められていたという。船舶ではすべての荷物を検査してはおらず、見逃されていた。

 家畜伝染病予防法は、牛の精液や受精卵の輸出には、家畜防疫官の検査を経て輸出検疫証明書を受けなければならないと定めている。違反した場合は3年以下の懲役または100万円以下の罰金が科されることもある。政府は現在、輸出に必要な二国間の取り決めを中国と結んでおらず、輸出できない状況という。