パーム油発電所の建設中止を要望 環境団体などHISに

アブラヤシの実から採れるパーム油を燃料とする宮城県角田市梶賀のバイオマス発電所計画を巡り、県内外の環境団体などが5日、主産地のインドネシアやマレーシアに深刻な環境破壊をもたらすとして、事業を進める旅行大手エイチ・アイ・エス(HIS)に建設の即時中止を申し入れた。
 申し入れは、仙台港の石炭火力発電所建設問題を考える会など15団体と研究者ら27人の連名。代表の長谷川公一東北大大学院教授が東京・新宿のHIS本社で、沢田秀雄会長兼社長に面会した。
 終了後、記者会見した長谷川教授は「沢田氏は問題の重大性を十分に理解してこなかったのではないか」と指摘。「被災地の便乗型ビジネスの典型で、角田でやる必然性は何もない」と批判した。
 申し入れ書はアブラヤシ農園の拡大で熱帯林が減り、泥炭湿地開拓で森林火災も発生すると指摘。「パーム油発電の温室効果ガス排出量は石炭火力発電を上回り、再生可能エネルギーとして不適切」と主張する。
 発電所の出力は約4万1000キロワット。2017年8月に着工した。約2万平方メートルの敷地は大半が更地という。事業主体のHISスーパー電力の担当者は「伺ったご意見は社内で検討すると思うが、今日の段階では明言できない」と話した。