災害や防災に関する定点調査結果 2019年2月版を発表

もうすぐ、東日本大震災から8年。全国の20~69歳の男女1,000名を対象に、災害や防災についてアンケート調査を行ないました。この調査は今回で5回目となる定点調査で、毎年2月と8月に発表しています。2018年は、西日本豪雨、大阪北部地震、北海道胆振東部地震などの大型災害により甚大な被害が発生しましたが、一般生活者の災害に対する意識や備えに変化はあったのでしょうか。 この記事のデータグラフ集を無料ダウンロード TOPICS

  • 西日本豪雨後に急上昇した「豪雨、洪水」への警戒、高まりは継続
  • 「避難場所の確認」や「備蓄」、過半数がやっていない
  • 災害時の情報元として「ラジオ」への注目が高まる

西日本豪雨後に急上昇した「豪雨、洪水」への警戒、高まりは継続

近年、様々な災害が頻発している日本。人々はどのような災害に対して恐怖を抱いているのか、推移を見ていきます。

最も恐れられている災害は「地震」で96%。過去の調査と同様に、ほぼ全員が選択しました。2位は「豪雨、洪水」で66%です。西日本豪雨が発生した後の2018年7月調査でその前の調査よりも13ポイントも上昇し、その後ほぼ横ばいで推移しています。さらに居住エリア別に見てみたところ、「豪雨、洪水」のスコアは中国・四国・九州エリアでは74%にのぼりました。西日本豪雨をきっかけに、特に被害が大きかったエリアでの「豪雨、洪水」への恐怖心が上昇していることがわかります。

※1:当設問は2017年7月よりデータ取得を開始

恐れている災害 上位5位

「避難場所の確認」や「備蓄」、過半数がやっていない

大災害に対する“備え”の状況はどうなっているのでしょうか。備えの行動として、最多が「避難場所や避難所の確認」で48%。最多とはいえ、半数は避難する場所を把握していないという状況です。2位は「日用品・水・食料品などの備蓄」で47%。国や自治体は大規模災害時の物流の混乱や避難生活に備え、“最低でも3日分、出来れば1週間分程度の家庭用食料品の備蓄を推奨”としていますが、半数の人は備蓄自体を行なっていないという実態が明らかになりました。

災害時の情報元として「ラジオ」への注目が高まる

いざ大災害が発生した際、生活者はどのような情報に注目しようと考えているのでしょうか。過去からの推移を確認します。

2017年2月の調査結果は、甚大な被害が出た2016年の熊本地震から1年も経っていないタイミングだったこともあってか、注目する情報源について全体的にスコアが高く出ています。その後全体的に下降しスコアが落ち着きますが、このような中で特徴的だったことは、今回(2019年2月)の調査で「ラジオ」が急上昇している点です。2017年2月の調査開始時から下降が続き、2018年7月が最低の39%でしたが、今回2019年2月は47%と回復し、前回調査からは8ポイント増となりました。他の情報源と比較しても上昇率は顕著です。ラジオは手動発電やソーラー発電など、停電していても使用でき製品が数多く発売されています。スマートフォンが広く普及し様々な情報を得られるようになりましたが、“スマホの電源が切れたらアウト”という怖さが背景にあるのかもしれません。

なお、今回の調査で注目すると思うと回答された情報源を全体で見ると、多い順に「テレビ」72%、「ニュースサイト」55%、「災害伝言サービス」51%、「ラジオ」47%、「家族からの情報」44%でした。これらの結果を年代別にも見ていきます。

大災害発生時に注目すると思う情報源 上位8位

「テレビ」と「ニュースサイト」は、若い年代よりも上の年代に選ばれる傾向がありました。近年、“若者のテレビ離れ”などとも言われていますが、20代の半数以上が「テレビ」に注目すると回答しており、大災害発生時にテレビの情報を必要とする若者は少なくありません。また、総務省などが活用を呼びかけている「災害伝言サービス」は全年代で5割前後に選ばれており、年代に偏りなく一定数に浸透している様子です。なお若い世代は、上の年代に比べて「家族からの情報」や「SNS上の情報」に注目するというスコアが高い傾向にあります。

生活者が恐れている災害は依然として「地震」がダントツはありますが、「豪雨、洪水」に対する警戒への高まりも継続する形となりました。いずれも甚大な被害が出た場合には避難生活を余儀なくされる場合もありますが、2人に1人以上が「避難場所の確認」や「備蓄」をしていないという状況が明らかになりました。