<地価公示>住宅地、宮城が上昇率2位 東北沿岸は下落続く

国土交通省は19日、1月1日時点の公示地価を発表した。東北では、宮城県の上昇率が住宅地で全国2位、商業地で5位となり、仙台圏の活発な土地取引が県全体を押し上げた。移転需要が沈静化した東日本大震災の沿岸被災地は人口減が進み、住宅地の下落傾向が強まった。
 東北6県の平均地価は住宅地が前年よりプラス1.1%で5年連続、商業地が同1.5%で3年連続で上昇した。各県と仙台市の平均地価と変動率は表の通り。住宅地は宮城県の上昇率が0.8ポイント増加。青森、岩手、秋田、山形各県は下げ幅が改善した。
 福島県の住宅地は6年連続で上がったが、上昇率は0.4ポイント減った。東京電力福島第1原発事故による避難者の移転需要減が影響した。多くの人が避難するいわき市も上昇率は1.1%で1.5ポイント減だった。
 沿岸被災地の住宅地は宮古、大船渡、石巻、気仙沼各市などで下落が続く。災害公営住宅の完成や集団移転先の宅地造成が進んだことで需要が落ち着いた。
 県庁所在地の住宅地は仙台市で上昇率が伸び、福島市は縮小した。盛岡市は横ばいで、青森、秋田両市は下落率が改善した。
 商業地は仙台市の上昇率が2.0ポイント増の10.7%。企業の支店進出増でオフィス需要が堅調で、不動産投資もJR仙台駅を中心に活況が続く。市中心部の東北大農学部跡地の大規模再開発計画に伴い、周辺地域の地価は大幅に上昇した。
 全国的には三大都市圏を除く地方圏で地価の回復傾向が広がり、全用途平均が前年の横ばいからプラス0.4%に転じ、1992年以来27年ぶりに上昇した。
 東北の調査地点数は1865カ所。このうち福島県の7カ所は原発事故の影響で休止が続く。

[公示地価]国土交通省土地鑑定委員会が地価公示法に基づいて公表する1月1日時点の土地価格。一般の土地取引の指標となる。今回の調査地点は住宅地、商業地、工業地の計2万6000カ所(うち福島県の7カ所は休止)。他の指標には都道府県が7月1日時点の地価を調べる基準地価、国税庁が算出する主要道路沿いの路線価などがある。