中高年ひきこもり61万人以上 「ネット、ゲームやらない」初調査でわかった“イメージ”と異なる実態

 内閣府は29日、中高年で“ひきこもり状態”にいる人が全国で61万人を超えるとの調査結果を発表した。

 若年層を対象にした過去の調査でひきこもりの長期化が確認されたことから、政府は中高年を対象にした調査を初めて実施。この結果、全国の40~64歳の男女で、推計で61万3000人が“ひきこもり状態”にあるという。15~39歳が対象の2015年調査に比べ、中高年の方が7万人以上多く、男女比は4分の3以上(76.6%)で男性が多かった。

 「ひきこもり」の定義は、自分の部屋からほぼ出ない、外出は趣味の用事や近所のコンビニへ行く程度などの状態が、6カ月以上継続した人のことを指す(仕事をしている人は除く)。

 ひきこもりの期間は、「3年以内」が27.7%で「3~5年」が21.3%、「10年以上」が17%で「30年以上」も6.4%いるとされる。きっかけは、「退職」が36.2%で、「人間関係」「病気」がともに21.3%、「職場になじめず」が19.1%など。若年層は「学校」がきっかけとなりやすいのに対し、中高年は「職場」が多い。

 また、普段利用しているものについて、「携帯電話での通話」はひきこもりが53.3%でそれ以外が84.4%、「携帯電話でのメール」はひきこもりが36.2%でそれ以外が66.6%、「ウェブサイトの閲覧・書き込み」はひきこもりが14.9%でそれ以外が22.6%、「SNSの閲覧・書き込み」が10.6%でそれ以外が13.3%と、ひきこもり状態の人の割合のほうが低かった。

 ドラマなどで描かれがちな、「暗い部屋でパソコン画面に向かう」といったひきこもりのイメージ。BuzzFeed Japan記者の神庭亮介氏は「社会と繋がれていない、繋がる相手がいないからこそ孤立して、SNSに書き込みをしたりネットを閲覧したりする人が少ない」として、「(ひきこもりに)抱いているイメージを変えなければならない」と指摘する。

 さらに深刻化しているのが、高齢の親(80歳)がひきこもりの子ども(50歳)の面倒をみる「8050問題」。神庭氏は「今回の調査で問題の根深さが浮き彫りになった。今のひきこもりの支援は“就労支援”が主だが、20~30年と長期に渡ってひきこもり状態の人にいきなり『外に出て働け』と言うわけにもいかない。就労支援以前の、ワンクッション挟んだ支援が必要なのではないか」との見方を示した。

 中高年ひきこもりのきっかけとなっている「退職」。神庭氏は、クビや派遣切りにあった人も含まれているのではないかと指摘。「一度退場を余儀なくされてしまった人が、再チャレンジできるような仕組みづくりが必要」とも述べた。