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利息は体で…ネット上に潜む「ひととき融資」のわな

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「性行為ができて利息ももらえる。素晴らしい融資だ」。

 大阪府警に貸金業法違反(無登録営業)容疑などで逮捕された男はこう言い放ったという。男の手口は「ひととき融資」と呼ばれ、性的関係を見返りに、インターネットで知り合った女性らに金を貸し付けるというものだ。ひととき融資をはじめ個人間の融資は近年になって急増。厳格な審査のない手軽さなどが背景にあるとみられるが、警察は「ヤミ金の新たな手口」と警戒感を強めている。

16人分の借用書

 府警八尾署などに逮捕されたのは、大阪府千早赤阪村職員の男(36)。逮捕容疑は無登録で貸金業を営んだほか、法定を上回る金利を受け取っていたなどとされるものだが、特異なのは男の融資条件だった。

 同署によると、男は平成24年ごろから、ネットで見つけた「個人間融資」を募る掲示板などで、融資を求める書き込みをしている女性を物色。融資が決まるとホテルで会い、現金を手渡していた。

 その際、利息や返済期間を記した借用書も作っていたが、そこには書かれていない「性的な関係を持つ」という条件も口頭で約束。融資や返済のたびに関係を求め、女性が拒めば、利息を5千円上乗せしていたという。

 男の自宅からは、16人分の女性名義の借用書が見つかった。同署の捜査では融資相手は10代~40代。多くて1人あたり十数万円を貸し、月に1~2回は会っていたとみられる。

獲物狙うヤミ金業者

 「性行為の相手として『ひととき』の時間を過ごす」などが由来とされるひととき融資。被害はほかにも多いとみられるが、表面化するケースは少ない。ある捜査幹部は「女性も金が必要で、性的関係を強いられても声を上げることができないのだろう」とみる。

 借り手は足下をみられ、不利な条件を受け入れざるを得ない-。こうした構図はひととき融資に限らず、個人間融資全般に広がる。そして、さらなる危険性も潜んでいるという。

 「善意の個人を装って融資を持ちかけているのは、ほとんどがヤミ金業者だ」。借金に関わる相談を多く受けるウイズユー司法書士事務所(大阪市北区)の奥野正智代表司法書士は、こう断言する。

 奥野代表によると、個人間融資は、すでに消費者金融で借金を重ねるなどして信用情報が傷つき、ほかに借りるアテのない人が希望することが多い。SNS経由の気軽さから、ほかに借金もない10代~20代の若者の利用も目立ち、それらを食い物にしようとするヤミ金業者が個人を装って融資を持ちかけているという。

 個人から借りたと思い込んでいるうちに、個人情報がほかの業者に悪用されたり、保証金名目で現金をだまし取られたりする被害に遭うこともある。

個人間でも貸金業

 悪質な被害が明らかになっている個人間融資だが、捜査関係者によると、立件された事例はそれほど多くない。ビジネスではない個人間の金の貸し借りであれば、「民事不介入」の範疇(はんちゅう)となり、貸し手の実態などが分からなければ事件化は難しいためだ。

 ただ、警察当局も手をこまねいているわけではない。今回大阪府警が摘発したケースは男個人による融資だったが、府警は複数の人に繰り返し金を貸していたことから、ビジネスにあたると判断。貸金業法違反(無登録営業)容疑を適用した。

 貸し手側がネット掲示板やSNSの書き込みで融資希望者を募っていれば、不特定多数へのビジネス広告とみなし、同容疑での捜査も可能-との見方もある。府警幹部は「実態が不透明な個人間融資には厳しく対処していく」とした上で「甘い話には裏がある。個人間のやり取りだと油断するとわなにはまってしまう」と注意を呼びかけている。