コーヒー豆が歴史的高騰、NY市場で最高値…産地のブラジルやベトナムで不作

【ニューヨーク=小林泰裕】コーヒー豆の歴史的な高値が続いている。27日のニューヨーク市場で、高級品種「アラビカ種」の先物価格は一時、1ポンド(約454グラム)当たり3・29ドル(約500円)超まで上昇した。データを遡れる1979年以降で最高値となった。ブラジルなどの生産国は近年、気候変動の影響で不作が相次いでおり、日本でも店頭価格のさらなる上昇につながる可能性がある。 【写真】ネスレ、ボトルコーヒーを値上げ…円安に加え豆高騰

 27日の終値は前日比4・5%高の3・26ドルで、昨年末より約7割上昇した。米メディアによれば、干ばつが長期化しており、ブラジルで生産量が減少するとの懸念が強まっている。

(写真:読売新聞)

 アラビカ種は喫茶店などで提供されるコーヒーの原料で、ブラジルを中心に世界のコーヒー豆生産量の約6割を占める。ニューヨーク市場はアラビカ種が取引される代表的な市場だ。

 一方、主にインスタントコーヒーや缶コーヒーに使用されるのは「ロブスタ種」で、ベトナムが主産国だ。ベトナムも干ばつの影響で生産量が減少し、先物価格は昨年末から約8割高騰している。

 コーヒー豆は赤道を挟んで北緯25度~南緯25度の地域で生産されているが、近年は干ばつや天候不順の影響で不作が発生しやすくなっている。今後、生産に適した土地の面積が減少すると懸念される一方、中国を中心に消費量が伸びていることも価格上昇に拍車をかけている。

 円安やコスト高を受け、ドトールコーヒーは27日、12月12日からブレンドコーヒー(Sサイズ)の税込み価格を250円から280円に引き上げると発表した。キーコーヒーは8月出荷分から、家庭用コーヒーなど主力商品を20~30%値上げしている。「ネスカフェ」ブランドを展開するネスレ日本も、インスタントコーヒーなどを来年2月から値上げする。主要生産国の供給不安が長引けば、各社はさらに対応を迫られそうだ。

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