クリスマスケーキに異変…『卵』の価格高騰止まらず 夏の猛暑の影響で今後は鳥インフルエンザによる卵不足の恐れも

 “物価の優等生”の「卵」が高騰しています。クリスマスが近づく中、ケーキ店では値上げを余儀なくされていました。「高くて手が出ない」という声も聞かれますが、その現状と、高騰はいつまで続くのかについて調べました。

■年始から90円高く…「高くて手が出ない」の声



 愛知県瀬戸市のスーパー「新鮮市場いせや」でも、価格高騰の波が押し寄せていました。

新鮮市場いせやの福丸明男社長:
「ずっと値上がりが続いておりますので、夏と比べて50円ぐらいは値上がっていますね」

11月21日、スーパーではMサイズの卵1パックを税抜き265円で販売していました。しかし、2024年1月の販売価格は179円(税抜)、8月は214円(税抜)と、この1年でおよそ90円値上がっていて、価格の高騰はなかなか止まりません。

SafeFrame Container

猛暑の影響でニワトリが夏バテし、生産量が減少したことなどが背景にあります。名古屋地区のたまごの価格の相場も、夏頃から上がり続け、現時点で290円と24年の最高値となっています。

客:
「高くて手が出なくて、親子丼とかをやめて照り焼き丼とか、メニューを変えています」

別の客:
「大好きだで、朝・昼・晩と食べている。困るわね。だけどもどうしようもないもんね」

お客さんに喜んでもらおうと、このスーパーでは毎日、開店から午後1時まで、卵のタイムセールを実施しています。11月21日は定価から100円ほど安い158円で、飛ぶように売れていました。

新鮮市場いせやの福丸明男社長:
「結構な赤字価格でございます。なかなか厳しい価格ではございますが、お客さまに喜んでいただいて、他の商品と一緒に買っていただければ、うちではよいと思っていますので」

■卵の高騰を巡って懸念…「鳥インフル」が過去最大規模



 2024年の鳥インフルエンザの発生ペースは、過去最大規模となっています。岐阜県本巣市の養鶏場では11月20日、ニワトリから毒性の強い高病原性の鳥インフルエンザが確認されたことから、1万5000羽が殺処分となりました。

農林水産省は21日、状況や対策などを話し合う緊急全国会議を開きました。

江藤農水相:
「危機感を共有せねばなりません。今シーズンは自分のところに来ても全くおかしくないと。来るぞという覚悟を持って、体制を組んでいただきたいと思います」

■高騰のあおりを受けている「ケーキ店」



 名古屋市東区のケーキ店「パティスリー リムーザン」では、卵の仕入れ値が1キロ385円と、23年の同じ時期に比べて30円以上高騰していることを受け、予約受け付けを始めたクリスマスケーキの値段も5~10%ほど値上げしているといいます。

一番人気・5号サイズのホールケーキは、23年から500円値上げしました。卵に加え、ケーキに欠かせない「いちご」も暑さの影響で高止まりしているうえ、柊やサンタの飾りつけも軒並み高騰するなか、値上げを決断しました。

鈴木佑貴彦シェフ:
「(卵は)なくてはお店が成り立たない。つらいですけど、使わないわけにいかないので。全てが値上がりしているので、消費者の方も買い控えが大きいんじゃないかなと思います。できれば注文が多い方がいいですよね」

■専門家「年内はもう少し高くなり高止まりも」

 卵の高騰がいつまで続くのかについて、東京農業大元教授の信岡誠治さんによると、「年内はもう少し高くなって、高止まりも」としています。

また、スーパー『新鮮市場いせや』の福丸明男社長は、「鳥インフルエンザに加えて、飼育費、人件費の上昇も影響している。年明けになれば落ち着くか」と話していました。

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