明るい明日へ船出 石巻「ヤマニシ」震災後初進水式

東日本大震災で被災した宮城県石巻市の造船業「ヤマニシ」は21日、本社工場で震災後初となる新造船の進水式をした。
 新船は震災前に島根県から受注していた大型水産練習船「神海丸」(699トン)で、水産高校2校が使用する。式典にはハワイ沖の実習を終えた生徒30人も駆け付け、船が海面に浮かべられると大きな拍手を送った。
 船体にあしらったラインは島根県旗の茶色に加え、生徒の発案で東北の復興を祈り、岩手、宮城、福島3県の県旗の青、緑、だいだい色で彩られた。
 ヤマニシ本社工場は高さ4メートルの津波に襲われ、損害額は約100億円に上った。復旧作業を経て、ことし8月に新船の建造を再開した。
 神海丸は、内装工事などを施した上で、受注当初より1年遅れとなる来年3月下旬に引き渡す。島根県教委の花田英治教育監は「復興を手伝いたかった。大事に使いたい」と話した。
 前田英比古社長は「島根県には納期を延長してもらい、感謝している。今日を機に、復興に向かっていける」と述べた。

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