樹氷から温泉へ 山形蔵王とかみのやま温泉を往復するバスを来年1、2月に運行

 山形県上山市の観光物産協会は来年1、2月、地元のかみのやま温泉と山形市蔵王温泉を往復する有料のシャトルバスを運行する。樹氷観光を目当てに山形蔵王を訪れるインバウンド(訪日客)らを誘客し、蔵王の混雑緩和と上山市内の観光活性化につなげたい考えだ。

オーバーツーリズム防止も狙う

 事業は観光庁のオーバーツーリズムの未然防止と抑制に向けた取り組みとして採択され、補助金約450万円などを活用。1月11日~2月28日の49日間、JRかみのやま温泉駅前にある観光案内所と蔵王温泉バスターミナルの間を1日3往復する。同駅でJR奥羽線や山形新幹線と接続しやすいダイヤを組んだ。

 運行は山交バス(山形市)に委託し、観光バスを使う。途中、道の駅やまがた蔵王(山形市)にも立ち寄り、上山市民が道の駅に隣接する産直施設などで買い物する際も利用できるようにする。

 JR山形駅と蔵王温泉を結ぶ路線バスは冬季、インバウンドの乗降客で混雑する。同協会は昨季、2次交通の実証実験を行い、週末限定の旅行商品としてシャトルバスを運行。利便性が高まるよう、事業内容を刷新した。

 バスはウェブによる事前予約制で、英語や韓国語、中国語の繁体字と簡体字にも対応する。運賃は全区間で片道2000円。

 かみのやま温泉を訪れる観光客は2012年度の75万5000人からレジャーの多様化などで減少傾向が続き、21年度はコロナ禍もあって31万7000人と半分以下になった。

 同協会の担当者は「バスを利用しやすくしたことで需要を掘り起こせると思う。蔵王を訪れるインバウンドや県外客に上山にも寄ってもらい、温泉などを楽しんでほしい」と期待する。

 連絡先は同協会023(672)0839。

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