科学者が警告! TwitterやFacebookは「自分を見て!」世代を作り出している

今や現代人の生活において欠かせない存在となったTwitterやFacebook。これらのソーシャル・ネットワーキング・サービス(以下、SNS)のユーザーは増えていく一方で、現在Facebookには写真や動画、そして自分の想いを他人と共有するために7億5千万人のユーザーが登録しているという。しかしそんななか、SNSに関するある懸念が浮上してきた。
その懸念とは、SNSが常に自分の日常へのフィードバックを求める「自分を見て!構って!」世代を作り出しているというもの。この考えを提唱したのは、オックスフォード大学の薬理学教授バロネス・グリーンフィールド氏で、彼は拡大するネット上での友達の輪、そしてコンピューターゲームの利用が人々の脳に多大な影響を与えていると主張している。
こういったネットの動きはユーザーの集中力を低下させ、安易に得られる快楽への欲求を高め、そして会話中のアイコンタクトなど非言語能力を下げると言われている。
また頻度の高いSNSの利用は、ユーザーの「自己認識の危機(identity crisis)」をもたらすらしく、このことについてグリーンフィールド氏は次のように話している。
「なぜ他人が朝食に食べたものを気にしないといけないのでしょうか? これは私に幼児が『僕を見て、ママ!僕、これをしているんだ』と言っているのを思い出させます。彼らはまるで自己認識の危機にあるようです。ある意味、このような行動は彼らの脳の時間を止めているとも言えます」
この他にも、一部のFacebookユーザーは毎日他人から見られ、賞賛される「ミニ有名人」にならなければならないと思っており、彼らは自分を知る他人こそが自分のアイデンティティーを定義するものだと考えているとグリーンフィールド氏は言う。
最後にグリーンフィールド氏は「考えてみて下さい。自分が自分のことをどう思うかより、他人が自分のことをどう思うかを心配する社会が、何を意味するのかを」と述べ、今の社会が抱える問題を提示した。様々な懸念の声が上がるなか、めまぐるしい速度で成長するSNS。これを機会に今後SNSとどう向き合っていくのか、じっくり考えてみるのもいいかもしれない。
(文=田代大一朗)
参照元:Daily Mail, Telegraph(英文)

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