宮城・石巻の鮎川拠点、商業捕鯨始まる 地元水揚げ期待集め出港

石巻市鮎川の鮎川港を拠点とする商業捕鯨のミンククジラ漁が10日、仙台湾で始まった。関係者は地元鮎川での水揚げを期待し、船を見送った。

 午前6時半ごろ、鮎川捕鯨(石巻市)の2隻、外房捕鯨鮎川事業所(同)の1隻の各小型捕鯨船が出発。いったん沖に出たが、強風で操業をやめ、初日の水揚げはなかった。

 11日も気象の悪条件を見込んで操業を中止し、12日以降に出港する。14日ごろに和歌山県太地町漁協の1隻が合流し、18日までの9日間、仙台湾で操業する。

 近年の海況変化に伴う高い海水温の影響でクジラの姿が見えないことから、昨年に続いて約3週間、出漁を前倒しした。

 昨季の漁は水産庁が設定した漁獲可能量136頭に対して83頭を捕獲した。今季の配分は142頭。

 鮎川捕鯨の伊藤信之社長(61)は「高水温の影響で漁は厳しくなっているが、負けずに今年の漁獲可能量全て取りきる」と意気込み、日本小型捕鯨協会(福岡市)の貝良文会長(64)は「鯨食は着実に広がっている。石巻をはじめ消費者に鯨肉のおいしさを届けたい」と語った。

 漁は4月以降、クジラの回遊に合わせて根室や釧路、八戸沖に北上し、10月末ごろまで漁を続ける。

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