500年後みんな「佐藤さん」に 別姓導入しなければ 識者が試算

約500年後の2531年、日本人の全員の名字が「佐藤さん」になるかも――。

試算を公表した東北大の吉田浩教授=2024年3月22日午後2時34分、東京都千代田区、岡林佐和撮影

 このまま選択的夫婦別姓を導入しない場合に、国内の名字の数がどう変化するか。別姓について考えてもらうキャンペーンの一環で、東北大高齢経済社会研究センターの吉田浩教授が試算したところ、そんな結果が出た。エープリルフールのウソのような推計だ。

 日本は世界で唯一、結婚したら夫婦が必ず同姓を名乗ることが義務づけられている。毎年約50万組が結婚しており、その分、名字の数は減っている。名字研究家の高信幸男氏によると、明治時代以来、日本にはおよそ13万種類の名字があるが、すでに5万種類が5軒以下の「絶滅危機」にあるという。「かつては子どもの数が多かったので子の誰かが名字を引き継いでいたが、少子化が進み、名字を残すことがむずかしくなってきている」と話す。

 吉田教授によると、現在、国内で最も多い名字は「佐藤」で、全体の1.5%を占める。「このまま夫婦同姓のルールのもとで結婚が繰り返されていくと、将来は佐藤姓だけになるのでは」との仮説をたて、検証した。

 公表データなどを元に結婚離婚、出生、死亡といった増減要因による佐藤姓の変化をみたところ、国内の人口のうち佐藤姓の占める割合は2022~23年の1年間で、0.83%増加していた。このまま夫婦同姓のルールが続き、毎年この割合で佐藤姓の占有率が伸びると仮定すると、2446年に日本人の50%が「佐藤」になり、2531年に「佐藤」の占有率が100%になるという。

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