ウルグアイのムヒカ前大統領の言葉

私たちは発展するために生まれてきたわけではありません。幸せになるために地球にやってき来たのです。

50年前の私たちは富を平等に分配することによって世界をより良くできると考えていたんだ。でも、今になって気付いたのは、人間の文化そのものを変えないと何も変わらないということだ。

私はみんな豊かさというものを勘違いしていると思うんだよ。大統領は王家のような生活”“皇帝のような生活をしなければと思い込んでいるようでね。だが、私はそうは思わないんだ。多数の人と同じ生活をしなければいけないんだ。国民の生活レベルが上がれば自分もちょっとだけ上げる。少数派じゃいけないんだ。

貧乏とは少ししか持っていないことではなく、限りなく多くを必要としもっともっとと欲しがることである。

ハイパー消費社会を続けるためには、商品の寿命を縮めてできるだ け多く売らなければなりません。10万時間持つ電球を作れるのに、1000時間しか持たない電球しか売ってはいけない社会なのです。長持ちする電球は作っ てはいけないのです。もっと働くため、もっと売るためにの使い捨て社会なのです。

ペ リー提督がまだ扉を閉ざしていたころの日本を訪れた時の話さ。時の日本は『西洋人は泥棒』って思っていた時代だね。あれは間違いではなかったけど、賢い政 策で対応したとは思うよ。西洋にある進んだ技術に対抗できないことを認め、彼らに勝る技術をつくろうと頑張ったんだ。そしてそれを成し遂げてしまった…。でもそのとき日本人は魂を失った。

人間は必要なものを得るために頑張らなきゃいけないときもある。けれど必要以上のモノはいらない。幸せな人生を送るには重荷を背負ってはならないと思うんだ。

産業社会に振り回されていると思うよ。すごい進歩を遂げた国だとは思う。けど、本当に日本人が幸せなのかは疑問なんだ。西洋の悪いところをマネして、日本の性質を忘れてしまったんだと思う。日本文化の根源をね。

幸せとは物を買うことと勘違いしているからだよ。幸せは人間のように命あるものからしかもらえないんだ。物は幸せにしてくれない。幸せにしてくれるのは生き物なんだ。

あまり消費しないことで大量に購入した物の支払いに追われ必至に 仕事をする必要がないからさ。根本的な問題は君が何かを買うときお金で買っているわけではないということさ。そのお金を得るために使った『時間』で買って いるんだよ。請求書やクレジットカードローンなどを支払うために働く必要があるのならそれは自由ではないんだ。

君が日本を変えることはできない。でも自分の考え方を変えること はできるんだよ。世の中に惑わされずに自分をコントロールすることはできる。君のように若い人は。恋するための時間が必要なんだ。子どもができたら、子ど もと過ごす時間が必要だし、友達がいたら友達と過ごす時間が必要なんだ。

働いて、働いて、働いて、職場との往復を続けていたら、いつの間にか老人になって、唯一できたことは請求書を支払うこと。若さを奪われてはいけないよ。ちょっとずつ使いなさい。そう、まるで素晴らしいものを味わうように…。生きることにまっしぐらに。

私がいなくなったときに他の人の運命を変えるような若い子たちが残るように貢献したいんだ。本当のリーダーとは多くの事柄を成し遂げる人ではなく自分をはるかに越えるような人材を残す人だと思うから。

日本にいる子どもたちよ。君たちは今人生で最も幸せな時間にいる。経済的に価値のある人材となるための勉強ばかりして早く大人になろうと急がないで。遊んで、遊んで、子どもでいる幸せを味わっておくれ。

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