「あまりにも残酷」ジャニー喜多川氏、昵懇の仲だった作曲家の小2息子に性被害発覚で朝ドラに思わぬ余波

 「東京ブギウギ」「銀座カンカン娘」など、数々の昭和歌謡を手掛けた国民栄誉賞受賞の作曲家・服部良一氏(1993年死去)。その次男である俳優で音楽家の服部吉次氏が、8歳の頃、ジャニーズ事務所創業者・ジャニー喜多川氏(2019年死去)から性被害を受けたことを、「日刊ゲンダイ」で告白した。服部家とジャニー氏は、古くから家族ぐるみの深い付き合いであることが知られていただけに、世間には激震が走っている。

【写真】「あまりに残酷」小2の息子が性被害を受けた有名作曲家

“優しいお兄ちゃん”だったのに…

 英国の公共放送・BBCは今年3月、ドキュメント番組『The Secret Scandal of J-Pop』を放送し、ジャニー氏の所属タレントに対する性虐待問題とそれを黙殺してきた日本メディアの闇を徹底追及。これを受け、2012~16年の間、ジャニーズJr.として活動していたカウアン・オカモト氏が4月、都内の日本外国特派員協会で記者会見を開き、ジャニー氏から15~20回ほど、性被害を受けたことを明かしたのだ。

「その後、古くからジャニー氏の性虐待問題を追っていた『週刊文春』(文藝春秋)には、元Jr.が毎週のように実名・顔出しで登場し、被害を訴えています。そんな中、昭和歌謡の父と呼ばれる故・服部良一氏の次男・吉次氏が『日刊ゲンダイ』で、小学2年生の頃、ジャニー氏にオーラルセックスをされたという衝撃の経験を告白。

≪パンツをめくって股間のあたりに手を入れてくるんです。指でさすられているうちに生温かいものに包まれたと思った瞬間、今まで知らない突き抜けるような快感があって≫
≪何がなんだかわからず、びっくりしていると、今度は肛門をいじり始め、舌がはい回ってくる≫

 など、当時の被害の詳細を明かしており、そのあまりにもショッキングな内容に、言葉を失う読者も少なからずいるようです」(スポーツ紙記者)

 そもそもジャニー氏と吉次の父・良一氏の出会いは、70年以上前に遡る。1950年、良一氏は歌手・笠置シヅ子氏(1985年死去)とともにアメリカ巡業ツアーを行ったが、そのロサンゼルス公演で、2人のお世話をしていたのが現地で育ったジャニー氏だったという。

「当時19歳だったジャニー氏は、良一氏や笠置氏にいたく可愛がられていたようです。その後、アメリカ兵として朝鮮戦争に赴いたジャニー氏は、帰還してから、よく良一氏の自宅に遊びに来るように。吉次氏にとっては“優しいお兄ちゃん”的存在だったといいます。

 そんなジャニー氏に性的な行為をされたとあって、そのショックははかり知れません。ネット上では、吉次氏の勇気ある告白に敬意を表するという声とともに、ジャニー氏、またジャニーズ事務所への批判が噴出。吉次氏が現在78歳であることを踏まえ、一体どれだけの被害者がいるのかと呆然とする人も多数見受けられます」(前・同)

 一方、服部家とジャニー氏の関係は、たびたび美談として、メディアに取り上げられてきた。

「2016年11月9日付『日本経済新聞』の『私の履歴書』では、良一氏の長男であり、吉次氏の兄にあたる作曲家・服部克久氏(2020年死去)が、服部家とジャニー氏の交流について明かしています。やはりジャニー氏は、ジャニーズ事務所名誉会長を務めた姉・メリー喜多川氏(2020年死去)と一緒に、服部家に入り浸っていた時期があるそうで、その縁から克久氏は、フォーリーブス出演のミュージカル『少年たち』で音楽を担当したとか。

 家族ぐるみの付き合いは長年にわたり、ジャニー氏は良一氏の葬儀で親族席に座り、愛用のピアノまで譲り受けたといいます。なお、そのピアノは、ジャニーズの舞台で使用されることもあり、2012年上演の『新春 滝沢革命』では、滝沢秀明氏が演奏を行ったそうです」(ウェブメディア編集者)

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 良一氏が亡くなった1993年の『NHK紅白歌合戦』、少年隊は自身の持ち歌ではなく「服部良一メドレー~紅白バージョン~」を披露していたが、「それも服部家とジャニー氏が懇意な仲であったからこそ実現したのでは」(前・同)という。

「また以前より、良一氏の曾孫がジャニーズJr.として活動していたのではないか……といううわさもあり、服部家とジャニー氏は切っても切れない仲のようです。そんな中、ジャニー氏が吉次氏に性加害を行っていたなんて、あまりにも残酷。服部家の関係者も、今回の告発には大きなショックを受けているのではないでしょうか」(前・同)

 吉次氏の訴えは、「NHK関係者にも激震を走らせたのではないか」と指摘するのは、さるエンタメ誌編集者だ。同局は今年10月から、連続テレビ小説『ブギウギ』を放送予定。同作は、笠置シヅ子氏をモデルにしたフィクションで、彼女のメイン作曲家である良一氏を模した“羽鳥善一”というキャラクターも登場する。

「その“善一”役を草なぎ剛さんが演じると情報解禁された次の日に、吉次氏の性被害告発インタビューが配信されたんです。これには、NHK関係者もかなり衝撃を受けたと思います。なお、同作はあくまでフィクションですが、良一氏と笠置氏のアメリカ巡業は、当時異例のことだっただけに、劇中で描かれる可能性は高い。ただ、その際、2人に大きく関わったジャニー氏をモデルにしたキャラクターは、性加害問題が取り沙汰されている状況だけに、登場させることは難しいのでは……」(前・同)

 SNS上では、『ブギウギ』で描かれる世界の背後に、性虐待があったことを知り、≪見る気がしない≫と訴える人が散見され、また草なぎに対しては、同情の声も寄せられている。果たして吉次氏の告発は、『ブギウギ』に何らかの影響を与えるのだろうか。

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