「なぜかメンタルが落ち着いている人」は何を考えているのか?
そう語るのは、これまでネット上で若者を中心に1万人以上の悩みを解決してきた精神科医・いっちー氏だ。「モヤモヤがなくなった」「イライラの対処法がわかった」など、感情のコントロール方法をまとめた『頭んなか「メンヘラなとき」があります。』では、どうすればめんどくさい自分を変えられるかを詳しく説明している。この記事では、本書より一部を抜粋・編集し、考え方次第でラクになれる方法を解説する。(構成/種岡 健)
Photo: Adobe Stock© ダイヤモンド・オンライン
感情が「運」を変える?
「最近、イヤなことがある」
「悪いことがずっと続いていて不運だ」
そうやって、気分が落ち込むと、ますます不運が舞い込んでしまうものなのでしょうか?
気持ちが張り詰めていたり、気分が落ち込んでいるときほど、人間はネガティブな思考に偏りやすくなります。
それにより自分のよくないところ、ネガティブで不運なところを強く意識してしまい、不運がたて続けに起こっているように感じてしまうことがあります。
人間が感じる「幸せ・不幸」は、その人自身の主観による影響も大きいです。
ネガティブなときにはより一層不幸に感じてしまうため、自分はずっと不幸だと感じてしまうのです。
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また、ネガティブな気分が続くと「思考能力」や「注意力」の低下を引き起こし、事故やミスが増えてしまいます。
まるで頭の中に霧モヤがかかったように普段通りに考えられなくなってしまうこともあります。
なので、その人の感情が運に与える影響は大きいと言えるでしょう。
ですが反対に、気持ちが落ち着いて安定しているときには幸運も舞い込みやすいと感じるということでもあります。
不幸を強く感じて立て続けに起こっているときこそ、まずは落ち着いて気持ちを落ち着かせることが大切なのです。
「季節の影響」も考えておく
また、季節の変わり目になると調子が悪くなると言います。これは病気でしょうか?
個人差はありますが、季節の変わり目は寒暖差や日照時間の低下、気圧などの変化から精神的に不安定になる場合があります。
このメカニズムについては、さまざまな要因が考えられるため一概には言えません。
ですが、中には明らかな抑うつ気分を毎年繰り返してしまい、日常生活に著しい弊害を生じる「季節性感情障害」といった精神疾患などを発症していることもあります。
必ずしも病気として治療が必要とはいえないのですが、生活への支障が大きい場合には治療の対象となる場合もあるのです。
(本稿は、『頭んなか「メンヘラなとき」があります。』の著者・精神科医いっちー氏が特別に書き下ろしたものです。)
精神科医いっちー
本名:一林大基(いちばやし・たいき)
世界初のバーチャル精神科医として活動する精神科医
1987年生まれ。昭和大学附属烏山病院精神科救急病棟にて勤務、論文を多数執筆する。SNSで情報発信をおこないながら「質問箱」にて1万件を超える質問に答え、総フォロワー数は6万人を超える。「少し病んでいるけれど誰にも相談できない」という悩みをメインに、特にSNSをよく利用する多感な時期の10~20代の若者への情報発信と支援をおこなうことで、多くの反響を得ている。「AERA」への取材に協力やNHKの番組出演などもある。