「会計時に1000円超えてびっくり」 昼食で“コンビニ弁当離れ”した人たち、新たな選択肢はスーパーか外食か

物価高が続くなか、コンビニ弁当の値上げも悩ましい問題だ。純粋に価格が上がったものもあれば、知らぬ間に量が減った“ステルス値上げ”もあるようだ。日常的に昼食でコンビニを利用していた人たちの中には、コンビニ弁当の値上げを受けて、スーパーや弁当専門店、あるいは外食に移行する人もいるようだ。そんな“コンビニ弁当離れ”した人たちに、話を聞いた。

スーパーの弁当のほうがよほど安上がり

 IT企業に勤める30代男性・Aさんは、以前は昼食としてコンビニ弁当をよく買っていたが、最近はめっきり減ったという。

「コンビニ弁当は500〜700円のものが主流で、それにサラダや飲み物をプラスすると、これまでの感覚での金額を上回ることが増えて、物価高を痛感するようになりました。会計時に1000円を超えた時に、びっくりしたこともありました」(Aさん)

 Aさんは、「1000円出すのならスーパーの弁当のほうがよほど安上がりだし、いっそデパ地下なら少々値が張っても許せる」と考えるようになった。

「今は、スーパーの300〜400円の弁当がお気に入りです。追加でサラダを買ってもトータル500円ぐらい。昼の時間が遅くなってしまった時は、値引きされていることもあり、それに遭遇できらラッキーですね。個人経営の弁当屋やテイクアウト専門店なんかも、コンビニより安く、かつ作りたてで温かい。

 夜は仕事帰りにデパ地下によって、値引き品を狙うこともありますね。値引きされて500〜800円ぐらいですが、クオリティーが高いので、お金を出す価値はあるかなと思います」(Aさん)

リモートワークでコンビニに行く理由がなくなった

 メーカーに勤める20代女性・Bさんは、コンビニ弁当ではなく、外食にすることが増えた。

「コンビニは職場から徒歩1分の場所にありますが、5分歩いてサイゼリヤに行くようになりました。ランチは500円で、サラダとスープもついてくるのはすごいなと思います。コンビニでスープとサラダをつけたら、900円くらいはしてしまうので……。

 外食なら、飲み水にも困りませんしね。野菜を摂りたい時は、日高屋の野菜たっぷりタンメン(麺少なめ)も好きで、よく行きます。こちらも500円くらいでおいしいです。お腹が空いている日は、町の中華屋さんの日替わり定食700円を注文します。満足度が高く、コスパがいいと思います」(Bさん)

 Bさんは、リモートワークをする機会が増えたことも、“コンビニ弁当離れ”の理由の一つとして挙げる。

「内勤だった頃は、限られた昼休みの間に最も近くで弁当を買えるコンビニで弁当を選び、席で食べるというライフスタイルだったのですが、リモートワークになると、昼休みが自分の裁量でとれるし、コンビニに行く理由もなくなりました。出社しても時間をずらしてランチタイムをとることが認められるようになったうえ、たまにコンビニに行くと『高っ!』と思ってしまうようになってしまいました」(Bさん)

それでも選ばれる「安い」コンビニメニュー

 自炊とコンビニを使い分けている人もいる。金融機関に勤務する30代男性・Cさんだ。

「コンビニランチは500円のワンコインが目安でしたが、最近は普通に弁当を選ぶと800円前後するように。500円以内で買える弁当が少なくなって、価格を抑えるには、ミニサイズの弁当にプラスで何か買うみたいに工夫しないといけません。そんな状況なので、今は自炊して弁当を作るか、家で炊いたご飯を持参して、コンビニでおかずだけ買うことが増えました」(Cさん)

 もっとも、自炊が面倒な時には、コンビニを利用することもあるというCさん。コンビニメニューの中でも、安くて満足感のあるものに目が行くようになったという。

「ファミマの『30種類以上のスパイス使用こだわりカレー』は328円なんです。トッピング用にコロッケを追加しても428円、ファミチキ追加なら548円というコスパの良さ。ローソンが店内のキッチンで作っている『まちかど厨房』がある店舗もいいですね。時間帯によっては半額になって、お弁当が300円くらいになることもあります。安いものには敏感になり、そういうものを探すのがむしろ楽しみになっているほどです」(Cさん)

 昼食といえばコンビニ弁当と決めていた人たちも、昨今の値上げラッシュを受けて、ライフスタイルの変化が生じている。そうしたなかでも選ばれるコンビニメニューは存在しており、スーパーや外食産業との間で繰り広げられる“昼食ニーズ”のパイの奪い合いは、今後ますます激化していくのかもしれない。(了)

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