「学力が伸びる子or伸び悩む子」決定的な違い3つ

子どもがテストで赤点をとってきた! 教育熱心なお母さんでなくても、バッテンだらけのテスト用紙を見たら「うちの子、大丈夫?」と不安になりますよね。

でも、悲観しすぎることはありません。たとえ0点をとってしまっても、テスト用紙に“ある特徴”があれば大丈夫! 今後お子さんは十分に伸びる可能性はあります。さて、それは一体何でしょうか!?

逆に、一見すると勉強がよくできる様でいても、学年が上がるとともにどんどん落ちこぼれてしまう子だっているんです。

今回は、元塾講師の筆者が“テスト用紙”“ノートのとり方”“気質”の3つの観点から、“伸びる子or伸び悩む子の違い”をお届けしたいと思います。

 

■1:テスト用紙=空欄が多い子orでたらめを書き込む子

さて、冒頭で触れたテストが0点でも大丈夫な“ある特徴”とは……それはずばり“空欄がない”こと!

問題が解けないとき空欄のままにするか、何かしら書き込むか。同じバッテンをもらうのでも、書き込む子のほうが長い目で見ると伸びやすい傾向があるんです。

チンプンカンプンでも、きちんと答案を埋める子は勉強に対する姿勢が前向きです。それに、何か書いてまちがえたほうが「自分の答えは何がまずかったのか?」と考えるきっかけにもなります。

また、教える側としても「そこは勘違いしやすいから注意しようね」「こういうふうに考えたほうがいいよ」など具体的なアドバイスをしやすいのです。

逆に、答えがわからないからとすぐに空欄にする子は、100点満点のテストで80点や90点をとっていても伸び悩むおそれがあります。

空 欄のままでは答え合わせをしたり先生から解説を受けたりしても、「ふーん、そういうもんか」で終わってしまい、なかなか学力が身につきません。特に、選択 式の問題で何か書いておけば正答する可能性があるのに空欄にしてしまう子はかなり深刻です。“まちがえる”ことを極度におそれているのかもしれません。

テスト用紙に空欄が目立つようであれば、お子さんの日頃の言動に対しても、「ダメ」とか「~してはいけない」など否定的な言葉がけは、なるべく避けるようにしましょう。

たとえば、テスト用紙の件でも「空欄にしちゃダメ」ではなく「まちがえてもいいから何か書き込もう」と言ってあげてください。

 

■2:ノートのとり方=きれいな子or雑な子

ノートのとり方に注目すると、伸びる子の素質があるのは“雑な子”に軍配があがるでしょう。

他人から見ると意味不明なノートでも、本人にとってはポイントを要領よく殴り書きしたものであれば問題ありません。授業中、“筆記”に労力をさくよりも、“理解すること”に集中したほうがよほど成績アップにつながります。

他方、定規できちんと枠線を引いたり、複数の色ペンを使い分けたりして、まるで参考書のように美しくノートをとれる子は要注意。一見すると勉強ができそうですが、意外と成績は伸び悩む傾向にあります。

“ノートをきれいにとる”こと自体が目的化して、肝心の内容が頭に入っていないのかもしれません。学年が上がるにつれ授業進度は早くなるので、ノートをとることにこだわると、ますます理解が追いつかなくなるおそれも……。

字が読みやすいことやレイアウトセンスにすぐれていることは褒めてもいいのですが、授業ノートをとるのに“定規と多色ペン”は使わせないほうがいいでしょう。

 

■3:気質=空気を読む子or読まない子

心理学の有名な実験で“同調実験”というものがあります。

誰がどう見たって正解が“A”という問題でも、周囲のサクラが口をそろえて“B”と回答すると、被験者もそれにつられて“B”を選んでしまうというものです。

成績が伸びるかどうかという観点でみると、この同調実験で「周囲がBでも自分はA!」と言い切っちゃうような空気を読まないタイプのほうが有利だと考えられます。

空気を読まない子は授業中の発言が積極的です。授業の終わりかけのタイミングにいきなり面倒くさい質問を繰り出してくることもあります。

周囲に「うざい」と思われるリスクはありますが、ただ「自分はこう考える」「ここがわからない」という意思表示がはっきりしているほうが、あいまいな点を残さずに学習を進めることが可能です。

また、空気を読まない子は正答率が低い難問にも果敢にチャレンジするようなところも。「どうせ誰も解けないから別にいいや」というふうには思わないのでしょうね。

他方、空気を読む子は授業中に何かわからないことがあっても、なかなか口に出してくれません。先生が「何か質問はありますか?」と声をかけてもだんまりです。

そして、よくも悪くも周囲に同調することで、成績も集団内でズバ抜けることなく、そこそこの位置に収まりやすいように思われます。

も ちろん、日本社会において“空気を読む”ことは大事なことですので、空気を読めるお子さんをわざわざ矯正する必要はないでしょう。ただ、「うちの子、 ちょっとまわりに合わせすぎかも」と気になるようでしたら、まずはお母さん自身が周囲の評価を気にするのをやめてみるといいかもしれません。

筆者が見てきた限りでは、子どもは空気の読み方を親の背中から学んでいるような印象があります。

 

“伸びる子or伸び悩む子の違い”を3つお届けしましたが、あなたのお子さんはどちらに当てはまりましたか?

でたらめな解答をしたりノートが雑だったり空気が読めなかったり、欠点のようでも見方を変えると長所になることもあります。お子さんの個性をできるだけポジティブにとらえて、長所をどんどん伸ばしてあげてくださいね。

(ライター 中田綾美)

 

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