みなさんは日本の平均給与がいくらか耳にされたことはありますか。
国税庁が2021年9月29日に公表した「令和2年分(2020年)分 民間給与実態統計調査」によると、日本の男性平均給与は532万円、女性平均給与は293万円です。
男性平均給与よりも少し高い「年収600万円」であれば、平均以上の不自由ない生活が送れるかもしれません。
そこで今回は、「年収600万円」もらえる男女の割合や達成できる業種についてフォーカスします。
また、手取りはいくらかも併せて見ていきましょう。
年収600万の割合
同資料をもとに、「年収600万円」の人は全体でどれくらいの割合いるかを確認します。
【図表】年収の分布
【出典】国税庁 「令和2年分 民間給与実態統計調査」
男女合計では、「年収600万超」もらえている人は全体の約20%を占めており、少数派であることがわかりますね。
男女別に見ると、男性は約30%、女性は約6%の割合です。
女性に関してはほんの一握りの人しかもらえない給与水準といえます。
男性に関しても1年を通じて勤務した給与所得者の平均なので、年齢が考慮されていません。そのため、一つの参考として、年齢階層別の平均給与も確認してみましょう。
【図表】年齢層別の給与
【出典】国税庁 「令和2年分 民間給与実態統計調査」
男性の年齢別平均給与を見ると、年収600万超の世代は45歳~59歳までとなっています。
一般的には、管理職や役員などに昇格して現役時代のラストスパートにようやく到達する給与水準だといえるでしょう。
平均600万円超の業種は?
次に、達成できる業種を具体的に見てみましょう。
「転職サービスdoda」がdodaエージェントサービスに登録した正社員20~65歳の男女(有効回答数約45万件)に2020年9月~2021年8月末に行った「平均年収ランキング(年代別・年齢別の年収情報) 【最新版】」を参考にします。
2021年の業種分類別の平均年収(全体)は上から順番に以下の通りです。
同率1位「金融」・「メーカー」(455万円)
3位「総合商社」(434万円)
4位「IT/通信」(433万円)
前項の通り、年齢別や男女によって年収の差があるため平均値はあくまで参考値にはなります。
1位の「金融」や「メーカー」でも平均年収は455万円と、600万に満たない結果となりました。
では、年齢別や男女を考慮しない全体の平均給与が600万円超である業種はどんな仕事でしょうか。
さらに細かい業種をピックアップすると、「投信/投資顧問」が平均年収662万円と「金融」の中で最も平均年収が高い業種となっています。
男女別に見ても、男性が702万円、女性が607万円と女性でも600万円超をクリアできる業種であることがわかります。
他に平均給与が600万円超の業種は「メーカー」の「たばこ」や、「メディカル」の「医薬品メーカー」があります。
しかし、男性の平均給与のみが600万円超であるため、全体平均をつり上げているケースとなります。
女性の平均給与が600万円超の業種は、他には「リスクコンサルタント(670万円)」「投資銀行業務(643万円)」が挙げられます。
まだまだ多くの業種で男女の平均給与の差は生じていますが、今後は女性の社会進出で女性の平均給与も上がっていくといいですね。
手取りはいくら?
年収600万円だと実際の手取りはいくらになるでしょうか。
再び国税庁の「令和2年分 民間給与実態統計調査」を元に見てましょう。
年収600万円台の年齢や収入を確認します。
平均年齢:46.6歳
平均勤続年数:17.7年
平均給料・手当:524万円
平均賞与:122万8000円
平均給与(年収):646万8000円
平均年収は約646万円となりました。先ほどの年齢別の平均給与と同じですね。
月の額面給与は43.6万円程度です。社会保険料や税金等を抜くと、個人差はあるものの月の手取りは33万円ほどでしょう。
まとめにかえて
平均以上の給与をもらうには、限られた業種で働くか、長く勤めあげるかがポイントであるといえそうです。
ただし、年収にとらわれず、今の収入の中で工夫をすれば老後も安定した生活を送ることが可能です。
例えば、生活費を見直して貯蓄率を上げることや、資産運用をうまく活用して資産を増やすことなどが挙げられます。
お金の管理や運用について、じっくり考えてみる時間を取ってみることをおすすめします。
参考資料
国税庁 「令和2年分 民間給与実態統計調査」(https://www.nta.go.jp/publication/statistics/kokuzeicho/minkan2020/minkan.htm)
Doda 「平均年収ランキング(96業種別の平均年収/生涯賃金)【最新版】」(https://doda.jp/guide/heikin/gyousyu/)