インテージリサーチは、20~69歳の男女1万人を対象に実施した「飲食店禁煙化に関する意識調査」の結果を4月19日に発表した。調査は2017年3月30日~31日にインターネット上で実施。喫煙者と非喫煙者の意識の違いが浮き彫りとなった。

全面禁煙に最も反対しているのは50代男性

飲食店での全面禁煙に賛成かどうか聞いたところ、全体では「賛成」が54.4%となった。賛成する人の内訳は、「受動喫煙防止のため、大変良い取組だと思う」が51.4%で、「小規模店舗こそ分煙が難しいため、完全禁煙にするべきだと思う」が3.0%だった。

男女いずれも60代で最も割合が大きく、高齢者ほど禁煙に賛成していることがわかった。また男女を比較すると、いずれの年代でも女性の方が男性よりも賛成する人が多い。これはどの年齢でも女性の方が喫煙率が低いことが背景にあると思われる。

「喫煙者の利便性も考えて分煙までにすべき」(18.3%)と「小規模店舗などには経営への影響を勘案し、条件を緩和すべき」(6.4%)という「条件付きで賛成」という人も計24.7%いた。

一方、全面禁煙に反対する人は、全体の6.1%。反対する人が最も多いのは、50代の男性で、11.6%だった。

「オリンピックとは関係のない自治体もこれを機に禁煙」がどの地域でも5割超

喫煙者と非喫煙者で分けて集計すると、「大変良い取組だと思う」は非喫煙者では62.5%に達するが、喫煙者では16.7%に過ぎなかった。一方、「分煙まで」と答えた人は、喫煙者では32.6%で、全面禁煙に賛成した人の割合を上回っている。非喫煙者でも「分煙まで」と回答した人は12.8%いた。

また喫煙の規制は、オリンピックを控えて強化されている側面がある。しかし「オリンピックに直接かかわる自治体に限定すべき」と答える人は、どの地域でも2割に満たない。「これを機会に全国的に制度化すべき」という人が、いずれの地域でも5割を超えた。オリンピックに向けて、車内広告や成人向け雑誌の規制を求める声もあるが、そちらは中々盛り上がっていない。一方で、喫煙の規制はオリンピックを機に一気に強化される恐れもありそうだ。