「No.1表示」広告が与える影響とは?購入意欲やブランドイメージを調査

広告などの表示物において、「No.1」、「第1位」、「トップ」、「世界初」、「日本一」など、自社の商品やサービスが1番であることを強調する表示は公正取引委員会等で“No.1表示”と言われます。このようなNo.1表示を用いた訴求は様々な企業などでよく検討されているようですが、大きな効果が期待できる反面、中には信ぴょう性が疑われるケースも。そこで、消費者はNo.1表示に対してどのように感じているのか、購入意欲への影響やブランドイメージなどを明らかにするために、全国1,000名に対して調査を行ないました。 この記事のデータグラフ集を無料ダウンロード TOPICS

  • No.1表示、7割超が「頻繁に見聞きする」
  • No.1表示のイメージは?好印象では「人気がある」、悪印象では「信ぴょう性に欠ける」
  • 購入意欲に「影響する」と感じる人は43%、20代が高めで過半数の55%
  • 景品表示法による規制の認知率は41%。女性は全年代で30%前後と低め

No.1表示、7割超が「頻繁に見聞きする」

No.1表示は、普段どの程度見聞きされていて、またどのような印象を持たれているのでしょうか。

No.1表示を「週に何度も」見聞きしている人は36%、「月に数回」見聞きしている人も36%でした。合計すると72%にのぼり、普段から頻繁に接触している人が多い状況です。また見聞きした際に、「好感を持つことが多い」17%、「好感を持つこともあれば、不快感を持つこともある」が最多で54%、「不快感を持つことが多い」14%でした。

No.1表示との接触状況
No.1表示との接触時の印象

No.1表示のイメージは?好印象では「人気がある」、悪印象では「信ぴょう性に欠ける」

No.1表示を見聞きした際、その商品やサービス対して具体的にはどのようなイメージを持っているのか、好印象と悪印象に分けて尋ねた結果を見ていきます。

好印象についての上位5つは、「人気がある」、「流行っている」、「期待できそう」、「宣伝が上手い」、「勢いがある」となっており、すべて2割代でした。一方、悪印象については「信ぴょう性に欠ける」、「うさんくさい」、「売り込まれているように感じる」、「押し付けがましい」、「企業の自己満足」の順に並びました。悪印象の上位2位である「信ぴょう性にかける」「うさんくさい」については4割を超える結果となっています。

No.1表示に対して持った「悪印象」 上位5位

購入意欲に「影響する」と感じる人は43%、20代が高めで過半数の55%

それでは、No.1表示による購買行動への影響はどの程度あるのでしょうか。ここでは、消費者が自覚する購入意欲(商品やサービスを買いたいという気持ち)への影響度合いを確認します。

「影響する(かなり影響する+やや影響する)」は43%、「影響しない(あまり影響しない+まったく影響しない)」は57%で、消費者の自覚する範囲ではNo.1表示が自分の購買行動に影響しないと考える人が過半数を占める結果でした。年代別に比較をしてみると、20代のみ「影響する」が過半数の55%で、30~40代は40%前半、50~60代は30%後半でした。

No.1表示との接触により“無意識”のうちに購入に至るケースも多いと推測される中、一定数は“意識できる”レベルにおいて購入意欲に影響すると感じており、特に20代では過半数がそう感じている状況です。

No.1表示は、購入意欲に影響するか

景品表示法による規制の認知率は41%。女性は全年代で30%前後と低め

No.1表示は不当表示によって消費者への誤解を与えないように、景品表示法による規制が存在しています。それでは、消費者は実際にこの景品表示法による規制について知っているのでしょうか。

認知率を見てみると、全体では41%。特徴としては、男性よりも女性の方が低く、全年代において30%前後でした。男性においては比較的上の年代での認知率が高く、40代と60代では過半数という状況でした。

No.1表示について、景品表示法での規制が存在することに対する認知状況

No.1表示による訴求は、購買意欲を高める点において、消費者の意識レベルでも少なからず影響していることがわかりました。しかし、不信感や押し付けがましさなど、ブランドにとってマイナスともなりかねない印象を同時に持たれることもあるようです。No.1表示を使用する際はポジ・ネガ両面を意識する必要がありそうです。

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