東京ではどこもかしこもカフェが混雑していることから、ひと休みしたくでもできない“カフェ難民”が続出しているという。確かに休日はもちろん、都心部では平日の昼間でもカフェは大賑わいだ。そこでこのカフェ難民問題を解決するべく、あの大人気チェーン店をカフェ利用する手を考えてみた。
「すき家」はカフェ利用できるのか？
その場所とは、牛丼チェーン「すき家」。2024年12月2日時点で、すき家の都内の店舗数は239軒。大手カフェチェーンの「ドトール」は都内に480軒、「スターバックスコーヒー」は405軒、「タリーズコーヒー」は228軒だ。
スタバやドトールほどではないが、タリーズくらいには都内のいたるところにある、すき家。もし、ここををカフェ利用できれば、“カフェ難民”を救うことができるかもしれない。
牛丼のイメージが強い、すき家のカフェ利用とは……？ と思っている人も多いだろう。しかしすき家では実は、「Suki CAFE」（すきカフェ）、「SUKIYA SWEETS」というブランディングで、カフェメニューを提供しているのだ。
そのラインナップは、コーヒーやコカ・コーラ、ファンタメロンなどの定番ドリンクのほかに、シェイク、プリン、ゼリーラテなどなど。品ぞろえが充実している。
しかも実食してみると、それぞれのクオリティーが非常に高いことがわかった。
まずはコーヒー。Mサイズは税込み110円で、今やコンビニコーヒーよりも安い。肝心の味だが、渋みがしっかりとあるが、かといって苦いだけではなく、コーヒー本来の酸味やコクも十分楽しめる。
クオリティーが高いことで知られるコンビニコーヒーと比べてもそん色はなく、110円で座って飲めるとあれば、こっちに軍配があがるかもしれない。
ゼンショーホールディングスにこのコーヒーについて聞いてみると、2007年からグループ全体で現在のフェアトレードコーヒー豆を使用したコーヒーを販売しており、客が一杯を飲むごとに、生産者の生活改善や経済的自立につながっているという。
コーヒーのお供として180円の「なめらかカラメルぷりん」も注文すれば、わずか290円でデザートセットを堪能できてしまう。
また、びっくりしたメニューが、期間限定商品の「黒糖ゼリーほうじ茶ラテ」（Mサイズ/280円）。ほうじ茶ラテの中に、プルっとした食感の黒糖ゼリーが入っている、おしゃれカフェのようなドリンクがすき家で提供されているのだ。
「この世で一番うまい！」すき家のシェイク
しかもほうじ茶ラテは濃厚で、これ単体でも十分にいけるクオリティー。ここに黒糖ゼリーまで加えて280円は、今の物価では考えられないほど激安。カフェ専門店の半額くらいの価格設定だ。ちなみにこのメニューの販売は12月10日までとなっている。
すき家ではこの「黒糖ゼリーほうじ茶ラテ」や「レモネードスカッシュ」など、期間限定で季節にあったドリンクを提供している。
だがこれらをおさえて、おそらくお客を最も驚かせているのが「Sukiシェイク」。シェイクといえば、ハンバーガーチェーンの定番商品で、どの店舗も気合を入れている。しかしすき家のシェイクこそ、あまたのバーガーチェーンのシェイクを抑えてのナンバーワンだと推す人も多い。
その理由は、バニラの濃厚さだ。はじめに口に入れたとたん、「クリームチーズ味だっけ？」と勘違いするほどに乳成分が強く出ており、お菓子的なシェイクとはまた違う、本格派の味わいだったの。
もちろん、バーガーチェーン系のシェイクとどちらが良いかは、ひとそれぞれの好みだろうが、SNSを見ても絶賛の声が相次いでいる。また、すき家のシェイクが知名度がイマイチのため、この感動を分かち合うために、普及活動をするユーザーもいるほどだ。
〈すき家のシェイク美味し過ぎて困る…みんな一回飲んでくれ〉
〈これ俺しか知らないけどすき家のシェイクくそうまいよ〉
〈やばいものに出会ってしまった。ファーストフード店で1番おいしいシェイクはすき家。異論は認めねえ〉
〈ねえみんなすき家のシェイク飲んだことある？ あれこの世のシェイクで多分1番うまいよ。あれは牛丼屋ではない。シェイク屋さんです〉
〈あまりの美味しさにどハマりしてしまいそれから冗談抜きでほぼ毎日のように近所のすき家に通っている。シェイクだけ買いに来る女としてもう店員さんにも認識されてしまった〉
また、少数ではあるものの、すでにすき家をカフェ利用している人も出没しているようだ。
カフェ利用に担当者の本音
〈すき家に来たんだけど、タピオカ飲みながらのんびりスマホいじってるおそらく女子中学生おるんだが？ しかも1人で すき家ついにカフェになったんか？〉
〈Sukiシェイクで休憩。昼間のすき家とか空いててよき〉
〈すき家でメシを食う時にはよく買ってるけど、とうとうシェイクのためだけにすき家に寄ってしまった…〉
と、ここまで「すき家」のカフェメニューを紹介したが、肝心なのは「すき家」がカフェとして利用されることについてどう思っているのか。
広報室の担当者に話を聞くと、「カフェメニューのみのご利用も、もちろん可能です。お食事の際のご利用に加え、テイクアウトも可能ですので、さまざまなシーンですき家のドリンク・デザートをお楽しみいただけますと幸いです」と返答があった。
すき家のカフェ利用は果たして、“カフェ難民”の救世主となるのだろうか。ただ、シェイクやコーヒーに関しては店舗限定の商品であるため、これ目当ての人は、事前に確認をしてから来店してみよう。
また、いくらカフェメニューだけの利用がOKだからといって、混雑時にコーヒー1杯で粘るのは控えるほうがよさそうだ。
取材・文・撮影／集英社オンライン編集部
