『ポツンと一軒家』がピンチ 過疎地一軒家の凶悪強盗頻発と「『イッテQ』の5分の1の価値」リアル実態

山間部の一軒家で強盗事件が相次いで発生していることを受け、ひとつの番組に批判の声が寄せられている。それが『ポツンと一軒家』(ABCテレビ・テレビ朝日系)だ。 ■【画像】“タトゥー全開”の挑発「凶悪ショット」 7度の警察沙汰の元旧ジャニーズタレント■  4月下旬から栃木、長野、群馬の各県で強盗事件が相次いでおり、5月14日午前0時頃にも福島県の住宅に住む1人暮らしの60代女性が強盗被害に遭っている。女性は手首をテープで拘束され、現金1万数千円を奪われたといい、男は少なくとも2人いたとされ、片言の日本語を話していたとも報じられている。  いずれの現場も山間の住宅ばかりで、複数の男が押し入り住人を縛るなどして現金を奪って逃走するなど、手口も似ている。  この事態を受けて元放送作家で現在はYouTuberとして活動する長谷川良品氏は5月14日にX(旧ツイッター)を更新し、次のように警鐘を鳴らした。 《Nスタで報じている山間の「ポツンと一軒家」を狙った連続強盗。テレ朝の同番組で紹介された民家が狙われたわけではないがフジもこのヘッドラインで報じている。以前、動画でも指摘した通り、この時代に自宅はもちろん生活スタイルまでテレビで公開することにはリスクが伴う。見方を変えるとホラーだ》  長谷川氏だけではない。Xユーザーからも、 《テレビ「ポツンと一軒家」 見る度に思っていた。悪い奴からしたら格好の狙い目じゃんと。案の定、閑散とした回りに民家がない田舎の山奥の家が強盗に複数あっている。あの番組やめたほうがいい》 《ポツンと一軒家。うかつにテレビに映るとこれからは、とても危険な世の中になりそうです》 《「ポツンと一軒家」という番組って、「どんな大声出しても近くに誰も住んでないから聞こえません!」「朝九時からお昼までは家にいません!」「息子たちは一ヶ月に一回しか帰ってきません!」と、公開しているようなものだなぁといつも思っていたのだけれど》  といった、危険性を訴える指摘が相次いで上がっている。

■「ポツンと一軒家強盗」頻発の背景を犯罪ジャーナリストが分析

「ポツンと一軒家」を狙った強盗が増えている背景を、元警察官で犯罪ジャーナリストの小川泰平氏はこう語る。 「山間部の一軒家を狙うのは、住人を拘束して事件の発覚を遅らせることができるからですよね。それも1人暮らしの高齢者を狙っている。技能実習生の逃亡も相次いでいますし、これらの犯罪と関連性があるという見方もある。警察はベトナム人の犯罪が増加していることも危惧しています」(小川氏、以下同)  2023年10月時点での国籍別在留資格者の人数は1位がベトナム、2位が中国、3位がフィリピンだ。22年度では、警察に摘発された外国人9548人のうち、ベトナム国籍が最多の3432人に上ったことが警察庁の調査で明らかになっている。ブローカーにカネを払って来日したが、結果、カネに困って犯罪に手を染めるケースが目立ったという。 「決してベトナム人に限ったことではありませんが、捕まって初めて外国人犯罪だとわかるケースも増えている。スイカやメロンなどの農作物の盗難も相次ぎましたが、何でもやるという外国人は少なくない。  新興国の一部では“日本は捕まりにくい国”ということも都市伝説的に広まっていて、技能実習生を辞めて犯罪に手を染める者もいれば、そういった者から手引きを受けて犯罪をするために来日する外国人もいますからね」  最近、山間部にポツンと建つ一軒家が狙われる理由は他にもあるようだ。 「こういった手口は、日本にある程度居住している外国人が関係している可能性が高いとも考えられます。技能実習生の働き口は農業や工業など、山間部が多いですからね。働いていればある程度その地域に明るくなる。レンタカーを借りることなく車も使えます。日本在住の外国人の手助け、手引きがないとできない犯罪なのではないでしょうか」

■『ポツンと一軒家』のコア視聴率は『イッテQ』の5分の1

 強盗犯罪の犯人は外国人とは決して限定できないが、危惧する意見が相次いでいる『ポツンと一軒家』。制作会社関係者が話す。 「たしかに、住まいや家族構成、ライフスタイルを全国に公開するというのは昨今のご時勢ではたしかにリスクがありますよね……。有識者やSNSにも指摘がありますが、こういった犯罪がさらに増えていけば『ポツンと一軒家』への批判はますます高まっていくでしょうね。  同番組は、世帯視聴率は悪くないですが、テレビ局側も対応を検討する必要が出てくるかもしれません」  5月12日の『ポツンと一軒家』の世帯視聴率は11.0%(すべてビデオリサーチ調べ、関東地区)と、NHK大河ドラマ『光る君へ』よりも高く、同時間帯トップだった。  一方で今、テレビ各局が重視する13~49歳のコア視聴率は1.1%と、日曜ゴールデンの番組としてはあまりにも低い数字だったという。 「同時間に放送されている日テレのバラエティ番組『世界の果てまでイッテQ!』は世帯は8.6%だったものの、コア視聴率は5.9%という高視聴率。ですので『ポツンと一軒家』は5倍以上も引き離されているんです。テレビ各局では今、世帯視聴率ではなくコア視聴率で広告単価が決まってきますから、局にもたらす広告収入は『イッテQ!』のほうが圧倒的に高いはずです。単純計算したら“5倍の価値”ですよね。  所ジョージさん(69)、林修さん(58)という人気者2人が出演。2018年10月のスタートから、シニア層を中心に世帯視聴率では好調の『ポツンと一軒家』ですが、広告収入という面では局に大貢献できているとは言えないとも考えられ、絶対安泰という立場ではないでしょう。さらに“ポツンと一軒家”を狙った犯罪がどんどん増えていけば、いよいよ番組の存続も危うくなっていくのではないでしょうか」(前同)  シニア層を中心に多くの人が楽しんでいる『ポツンと一軒家』だが、番組の今後は、明るいものではないのかもしれない――。

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