仙台市青葉区国分町の肴町公園を誰もが訪れたくなる居心地の良い場所にしようと、公園内にキッチンカーとベンチを置く社会実験が行われている。周辺は魅力的な店が多いが、約200メートル離れた繁華街・一番町からの回遊性は乏しい。公園に人を呼び込み、一帯を盛り上げようと企画された。
「街宣車が止まっている」!?
社会実験は公園近くの住民や事業者でつくる「肴町公園周辺エリアまちづくり協議会」と市が連携して実施。電気やガス、水道が使えるキッチンカー1台を運び入れ、ベンチも増やして1月末にスタートした。
当初は黒いキッチンカーを見て「街宣車が止まっている」と苦情を言う人もいたが、平日昼にカレーやサンドイッチなどを販売するうちに定着。ランチタイムは増設したベンチでサラリーマンらがくつろぐ。協議会はキッチンカーを借りる飲食店などから売り上げや評判を聞き取り、1年かけて公園での事業可能性を調べる。
一番町のアーケード街はにぎわっているが、公園のあるアーケード西側は人通りがまばら。協議会は雑居ビルやマンションのはざまにある貴重な自然環境を生かした企画で通行人を引きつけ、飲食や衣料品、雑貨などの個性豊かな周辺店舗の存在をアピールし、面白いエリアと思ってもらおうと考えた。
今月はカレーや総菜販売
公園を訪れた近隣住民の間に交流が生まれ、顔が見える関係が築かれることも社会実験の狙いだ。
協議会事務局を担うまちづくり会社「せんだいディベロップメントコミッション」(青葉区)のディレクター豊島聡さん(29)は「『毎週末に何かやっている』と認知されている勾当台公園のミニ版を目指す」と意気込み、肴町公園の在り方について広く意見を求めている。
今月は11、15、16、29日にキッチンカーでカレーや総菜などが販売される。連絡先は協議会のフェイスブックかインスタグラムへ。